めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

The Crown / Crowned Unholy

Crowned Unholy (Bonus Dvd)

Crowned Unholy (Bonus Dvd)

スウェーデンのメロディックデス/スラッシュメタル The Crown / Crowned Unholyをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 The Crownを4thで気に入ったので、集め始めた。購入履歴によると2005年9月にAmazonで買ったらしい。情報残ってるのスゴいね。

2.内容

 2004年リリースの7thだが、当時新メンバーのTomas Lindbergとレコーディングした5thを、出戻りしたJohan Lindstrandと再レコーディングしたもの。ボーカル再録だけでなく、各パート録音し直している。再録前は別途紹介する。
 #5ではクリーンボイスが部分的に出てきたりするが、音楽性としては4thからの爆走デスラッシュぶりに陰りはなく、違いを挙げるなら少しデスメタル成分が増えたかしら?という感じ。サウンドはクリアだが綺麗すぎない荒々しさがあり、特にベースがブンブンと良く聞こえるミックスだと思う。
 ボーナスでライブDVDがついてくる。どこぞの小さなライブハウスで撮られたもので、音質画質ともにそんなに優れたものではなく、あくまでボーナスレベル。曲は4th以降でほぼ固められている。4thでは基本ギターがEチューニングだったが、5th以降はDチューニング(1音下げ)になっている関係上、4thの曲も1音下げで演奏されているようで、それらの曲は若干の違和感あり。演奏は非常に熱いが、それが理由であまり見なかった記憶がある。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 いろいろ書いたけどトータルとしては突進力の高く荒々しいデスラッシュで、安心安定の出来である。

4.どのような人に推奨するか

 HatesphereとかImpiousとかの攻撃性が高い北欧デスラッシュ好きへ。4thが気に入った人にも、ちょっと感触は違うように感じるかもしれないけどクオリティとしては十分おススメできる。

The Crown / Deathrace King

Deathrace King

Deathrace King

スウェーデンのメロディックデス/スラッシュメタル The Crown / Deathrace Kingをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 デスラッシュの名盤とされ、ジャンル入門の最初に入手したもの。

2.内容

 2000年リリースの4th。Metal Bladeから。3rdまでの爆走ぶりとスラッシュリフはそのままに、大きく変わった点が2点。

  • 分厚く重く固いサウンドプロダクション。
     ギターは刻みの一音一音がずっしりと響き、ドラムは硬質でやや機械的に。Fredrik Nordstromのミックス・プロデュース。彼は2000年前後の名作によく関わっていたイメージがある。
  • ロックンロール由来のドライブ感の増加。
     過去作でも見られていたロックンロール成分が大幅増加。リフによるメロディ要素は減退し(リードフレーズとしてのギターメロディはあるが)、ノリのよいキャッチーな感覚が増強された。 ボーカル面もドスの聴いた粗野なデスヴォイスは前作譲りながら、タイトル連呼系のコーラスが配された曲が多いのが特徴で、やはり聞きやすくなっている。

 全曲個性が合って素晴らしいが、#1, #2, #6, #8, #10, #11あたりは個人的に出色。一気に聞きとおせる超ハイテンションなアルバムです。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 これは文句なしに素晴らしいでしょ。彼らのカタログの中でも一番思い入れがある。ギターを弾きたくなる(というか、#2は実際コピーしたりした)

4.どのような人に推奨するか

 勢いとスピード感たっぷりのキャッチーなリフが満載のスラッシュ/デスメタル。激しい音楽が聴ける人であれば、もう全員にお勧めしたい。名作。

The Crown / Hell Is Here

Hell Is Here

Hell Is Here

スウェーデンのメロディックデス/スラッシュメタル The Crown / Hell is Hereをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 4thの次に購入したやつです。The Crown紹介特集。

2.内容

 1999年リリースの3rd。Metal Bladeから。2ndでやっていたスピード感あるメロデスと、4thからのデスラッシュとの中間的なサウンドで、2ndよりは攻撃性とスピード感が上がり、メロディ成分が減退した分スラッシュ的なリフが増えたように思われる。ドラムイントロから始まり抒情的なトレモロリフを紡ぐ#2は2ndっぽいし、ロックンロール的なムードのリフを持つ#5は4thの雰囲気を思わせる。#4、#11などを除くと基本的にはスラッシュビート・ブラストビートで押す疾走曲で、ボーカルもだいぶドスの効いた声になってきており前作以上にテンションが高い。
 最初にメジャーで分厚いプロダクションの4thを聞いていたので、ドラムが生っぽくポコポコしたこのアルバムのサウンドはあまり馴染めなかったのだが、改めて聞くとこれも素晴らしい。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★-
 ドラムの音の軽快さもあって、スピード感がスゴイ。全曲好きってわけではないが、印象に残っている曲は、どれも強烈。

4.どのような人に推奨するか

 メロデス好きにもデスラッシュ好きにも訴求できる要素を残したハイブリッド的な音楽なので、どちらの観点からもおススメ。The Crownとしてのデスラッシュとしての独自性が強く出てくるのはこのアルバムからなので、4th以降で入門した人もぜひ聴きましょう。

阿刀田高 / 新約聖書を知っていますか

新約聖書を知っていますか (新潮文庫)

新約聖書を知っていますか (新潮文庫)

阿刀田高 / 新約聖書を知っていますか のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 ブックオフで偶々見かけて購入。西洋美術を見るにあたって、キリスト教の知識がないと鑑賞が難しいことが分かったので、こういう本を探していたのです。

2.内容

 1994年作。新約聖書福音書を中心とした大まかなストーリー(受胎告知~キリストの死と復活~弟子の布教活動)と、ヨハネの黙示録が解説範囲。ネタ的に使徒言行録や信徒への手紙系はややカット。…といったような聖書の基本構成を語れるのもこの本のおかげ。
 とにかく語り口やセリフ回しが軽妙で、聖書の登場人物たちに親しみを覚える。特に「この時期のペテロは律儀なだけの田舎のおっさんという気配があって、なんともほほえましい」などといった、ポンコツ感のある弟子たちの描写なんかは、大変に面白い。
 新約聖書の話や背景がとてもわかりやすく、且つ(後書きにもある通り)信仰ではなく知識ベースの情報提供が心掛けられているのが非常に良いです。聖書の内容のみに傾倒しすぎず、作者の体験がつづられたエッセイ要素ものんびりと読める。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 旧約聖書版や他のシリーズも買います。これをベースとして、聖書本体を読んでみるのもいいかも。

4.どのような人に推奨するか

 私のようなキリスト教初学者に推奨。聖書本体や固い解説書を読むより、入り口としては優れている。本書には基本的に挿絵や写真はないので内容をヴィジュアル的に理解したい人には、聖書をテーマにした西洋絵画本などを副読することをおススメする。

The Crown / Eternal Death

ETERNAL DEATH / DIGIPA

ETERNAL DEATH / DIGIPA

スウェーデンのメロディックデス/スラッシュメタル The Crown / Eternal Deathをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 最初に名作4th Deathrace Kingを聞いて感動したので、集め始めたもの。

2.内容

 1997年リリースの2nd。自分のはCentury Media再発版で、リリース当初は旧名(Crown of Thorns)だがすでにThe Crown表記の者だったと思う。
 特徴はクサすぎず甘すぎずのバランス感覚を保ったストレートなメロディと、メロデス勢にはない高速なスピード感。後続の作品に比べるとロックンロール風味や怒涛の刻みリフはまだ少ない方。トレモロリフやギターメロディによるそこそこ抒情的なリフに高速ブラストビートが絡む様は、所謂メロディックデスメタル黎明期のバンドたちよりも、ファストブラック勢のバンドに近い感覚もあるかも(似ているかというとそうでもないけど、Dissectionの1stとかDark Funeralの2ndとか)。
 ただ、寒々しさは全くなく、ジャケットの通り赤系で熱い!というイメージのメロディックデスである。#4, #10などは長尺でゆったり展開する聞かせる系の曲もある。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★-
 このころのThe Crownと似たようなバンドって冷静に考えるとあまり浮かばない。既にオリジナリティあると思う。3rd以降の爆走デスラッシュとはちょっと趣が違うので、聞く頻度は高くないけど、すごくいいよ。

4.どのような人に推奨するか

 所謂メロディックデスのバンドは速度が足りない、あるいはクサすぎと思う方には、実はぴったりハマるサウンドかも。先にも書いたように、こういうバランスのバンドってあまりいないので。

木村泰司 / 名画は嘘をつく

 

名画は嘘をつく (ビジュアルだいわ文庫)

名画は嘘をつく (ビジュアルだいわ文庫)

 

木村泰司 / 名画は嘘をつく のレビューです。

 

1.作品を選んだ理由

 本屋で見かけて購入。ルーベンス展に行ってからというもの、西洋美術の知識をつけたい欲があるのだ。あと、妻がキリスト教と美術史に詳しいので対抗したい。

 

2.あらすじ(内容)

 2014年作。タイトルはやや釣りっぽいところがあって、嘘というよりは、絵のテーマに反したタイトルであるとか、実在する風景画に見えるが想像上の産物であるとか、キャラクターの誇張あるいはプロパガンダであるとか、そういった絵画の背景を教えてくれる。絵の背景を知り、「絵を読む」という鑑賞方法を提示する。人が描く絵なのだから、そこには作者の(あるいは依頼者の)意図が絵に表れるはずで、そういった内面も踏まえて絵を観察することはイマジネーションが膨らんで非常に面白い。

 ウソにフォーカスしているため、1つ1つの解説はあっさりめ(1ページ未満)で著者や絵そのものの解説は省かれがちだが、125点の絵画が綺麗な紙質で納められており、800円弱というのはコストパフォーマンス的に悪くない本だと思う。文庫本サイズなので絵に割けるスペースががどうしても小さくて細部が見づらいものがあるのは残念。最後の審判のような壁画を見るのはちょっと無理がある。また、本の構成上、紹介される絵画の順番に美術史上の脈絡はなさそうなので、絵画1つ1つを単発で楽しむような内容となる。

 

3.感想/評価

 ★★★★-

 Part2,3もあるようなので、おいおい買いたいと思います。

 

4.どのような人に推奨するか

 学校の美術の時間で習った絵をぼんやり覚えている程度の人でも、トリビア本として楽しめると思います。

 

Hour of Penance / Cast the First Stone

Cast the First Stone

Cast the First Stone

 

イタリアのブルータルデスメタルバンド Hour of PenanceよりCast the First Stoneをレビュー。

  

1.作品を選んだ理由

 6thと併せて7thを購入。

 

2.内容

    2017年リリースの7thで、Prosthetic Recordsからのリリース。またドラムが変わっていて、Putridityで辣腕を振るったDavide "Brutaldave" Billa<Dr>が加入している。

 前作譲りの激烈ブルータルデスで、あまり細かく言い足すことはない。ドラムはもともと超高速・超テクニカルだったので、その点ではメンバーチェンジの影響は小さく、曲に合わせた超速ブラストビートやフィルインを披露してくれている。前作同様、テンポを落としてゆったりとした展開やメロディを見せるパートはやや増であり、サウンド面も含め安定の品質。多彩なギターリフと卓越したアレンジ力で、突進力がありながらも「聴かせるデスメタル」を安定的にやれているのは凄いと思う。

 Cast The First Stoneのタイトルは、ヨハネ福音書にある「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず石を投げなさい」から来ていると思われる。

 

 3.感想/評価(★の5段階評価)

 ★★★★★

 細かな違いは挙げたものの、気持ちよい作品であることに疑いはない。

  

4.作品をどのような人に推奨するか

 過去作が気に入っているファンには問題なく推奨できるし、これが最初の作品でもいいと思います。

 

Extol / Undeceived

 

Undeceived

Undeceived

 

ノルウェープログレッシブデスメタルExtolのUndeceivedをレビュー。

  

1.作品を選んだ理由

 これもテクニカル系メタルを探して出てきたバンドの一つ。結果的に、先に紹介したSpiral ArchitectやTwisted Into Formとつながりがあるバンドだった。

 

2.内容

    2000年リリースの2nd。やや喚き系のデスヴォイスと歌い上げるクリーンヴォイスの交錯、抒情性を感じられるギターメロディーやスラッシュ・デス風の刻みリフ、変拍子、静と動の入れ替わりなどは、初期Opethっぽいといってもいいかもしれない。ややストリングスによる味付けも効いている。ただし、Opethのようなフォーク感はあまりないし、曲が異様に長いというわけでもない、あくまで感触はモダンなプログレメタルと言える。全体的にはテクニック偏重ではなく楽曲主体で聴かせる音になっているが、それゆえにやや地味ともいえる

 

 3.感想/評価(★の5段階評価)

 ★★★--

 派手な部分は少なくトータルの印象は個人的には薄め。インタールード的な小品を挟みつつも、ムチムチに作りこまれた複雑な15曲71分は結構おなかいっぱいである。 

 

4.作品をどのような人に推奨するか

 Opethと比較したけど、Opeth好きに推奨できるかというとそうでもない気がする。要素要素は悪くないだけど、地味なので結構おススメポイントが難しい

魚住 和晃、栗田みよこ / マンガ 「書」の黄金時代と名作手本―宋から民国の名書家たち

 

マンガ 「書」の黄金時代と名作手本―宋から民国の名書家たち (講談社+α文庫)

マンガ 「書」の黄金時代と名作手本―宋から民国の名書家たち (講談社+α文庫)

 

魚住 和晃、櫻あおい / マンガ 「書」の歴史と名作手本―王羲之顔真卿のレビューです。

 

1.作品を選んだ理由

 本作の上巻にあたる書籍を買っていたので、せっかくなのでと購入。

 

2.あらすじ(内容)

 2009年作。中国史における書の歴史のうち、こちらは宋代から近代までをその解説対象としている。本書でも語られている通り、新しい書体の発生は唐代までで、それ以後は芸術としての再発見・再解釈が多いようなので、上巻に比べると下巻の内容はなんとなく地味に感じる。引き続き図版や解説は多いので、中国史とともに書の歴史の全体像を学ぶには良い書籍になっている。

 

3.感想/評価

 ★★★

 書籍の価値を減じるものではないけど、上巻の方がエキサイティングな内容だった。顔真卿展では、蘇軾・米芾あたりまで幅広く扱っていたね。

 

4.どのような人に推奨するか

 中国史・書の歴史に興味がある方向けなのだが、まずは上巻を読むで良いと思う。そのうえで、さらに後の歴史も知りたいという人に。

魚住 和晃、櫻あおい / マンガ 「書」の歴史と名作手本―王羲之と顔真卿

 

マンガ 「書」の歴史と名作手本―王羲之と顔真卿 (講談社+α文庫)

マンガ 「書」の歴史と名作手本―王羲之と顔真卿 (講談社+α文庫)

 

魚住 和晃、櫻あおい / マンガ 「書」の歴史と名作手本―王羲之顔真卿のレビューです。

 

1.作品を選んだ理由

 この展覧会に行くにあたって、購入。顔真卿の祭姪文稿の真筆が日本に初上陸とのことで、結構な人が展覧会にはいっていたようです。

 なぜ顔真卿に興味を持ったかというと、それはQuizKnockのトリオ神経衰弱だったりするわけだが。これは奇跡的な面白さがある。

www.youtube.com

 

2.あらすじ(内容)

 2009年作。中国史における書の歴史、ひいては文字の歴史を平易に解説してくれる入門本。殷王朝の骨に刻まれた甲骨文字から始まり、唐代あたりまでの書家がテーマ。また、骨・秘文・木簡・紙などといった媒体の変遷と、媒体に応じた書・書体についても触れられている。

 当時の書は単なる芸術でもただの記録媒体でもなく、役人の一教養という位置づけでもあったので、取り扱うメンバーは大抵役人としての側面を持っている。その為、書家の人生を語るうえで必ず出てくる当時の政治・政変についても時代に沿って出てきており、巻末の年表も併せてざっくりとした中国史前半の振り返りにもよいかと。漫画部分はおまけ感がつよい(漫画を除いても写真やイラスト、書の図などはふんだんに盛り込まれている)が、キャッチーな本にすることに一役は買っているかと。 

 

3.感想/評価

 ★★★★-

 北魏楷書の造像記に見られる力強い字と、猪遂良の雁塔聖教序なんかが好きですね。

 

4.どのような人に推奨するか

 まあ、中国史や書道に興味がある方ですな。

Spiral Architect / A Sceptic's Universe

 

ア・スケプティックス・ユニヴァース

ア・スケプティックス・ユニヴァース

 

ノルウェーのテクニカルメタルSpiral Architect / A Sceptic's Universeをレビュー。

  

1.作品を選んだ理由

 テクニカル・プログレッシブなメタルを探していたら出てきたバンドの一つ。

 

2.内容

    2000年リリースの1st。Metallumによると「解散はしないものの冬眠状態とし今後のリリースはない」とのステートメントが2015年にあったらしいので、これが唯一作ということになる。バンド名の由来は、Black Sabbathかな。

 内容は、Cynic/Watchtower等の系譜にある、複雑で浮遊感のあるリフと変拍子リズムを中心としたプログレッシブメタル。ベースがやたら目立つサウンドで、ユニゾンせずに独立フレーズを弾いていることが多い…と、Twisted Into Formと同じような感想になるが、似たメンバーがやっているバンドだから仕方ない。

 Twisted Into Formは地味な印象が強かったが、こちらはよりテクニカルな方面に振り切れている。音飛びの激しく音符の詰まった勢いのあるリフ、指板いっぱいを使い切るように舞い踊るベース、複合拍子に複合拍子を重ねるリズムと、素人にもわかりやすく派手な要素が多い。ボーカルは…おまけかな。

 

 3.感想/評価(★の5段階評価)

 ★★★★-

 こっちは結構好き。

  

4.作品をどのような人に推奨するか

 変拍子メタルが好きな人向け。ポップさやメロディは少ないので、Dream Theater系列を期待すると違うと思います。 

Twisted Into Form / Then Comes Affliction To Awaken The Dreamer

https://www.metal-archives.com/images/1/3/2/0/132078.JPG

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000H2M2AC/

ノルウェーのテクニカルメタルTwisted Into Form / Then Comes Affliction To Awaken The Dreamerをレビュー。Amazonの商品がアダルト扱いなのはなぜ…

  

1.作品を選んだ理由

 Dream Theraterから入り、とにかくテクニカル・変拍子なものを探して見つけたものです。

 

2.内容

    2006年リリースの1st。今のところ唯一のフルアルバム。バンド名は、Forbiddenの2ndからか?

 Spiral ArchitectやExtolのメンバーがやっていたバンドらしく、Watchtower系の複雑で浮遊感のあるリフと変拍子リズムを中心にテクニカルな楽曲を繰り出すメタルサウンド。ベースもギターとのユニゾンに終始せず、モコモコとした目立つ音(フレットレスベース?)で独立したフレーズを奏でる。ボーカルはクリーン系で、ちょっと甲高い声質で時折抒情的なメロディーを歌う(#6などは佳曲)。ミドルテンポが多く、やや淡々と平坦なアルバムではあるので、テクニカルだが地味といえば地味かもしれない。

 

 3.感想/評価(★の5段階評価)

 ★★★--

 聞く頻度は高くないかなぁ。   

  

4.作品をどのような人に推奨するか

 Spiral Atchitechのようなテクニックと変拍子全開なメタルが好きな人におススメだが、あっちより地味。Dream Theaterのような大衆性はないと思うので、メロディ派には推奨しづらい。

 

田中ひろみ / クイズで入門 日本の仏像

 

クイズで入門 日本の仏像 (講談社+α文庫)

クイズで入門 日本の仏像 (講談社+α文庫)

 

田中ひろみ / クイズで入門 日本の仏像 のレビューです。 

 

1.作品を選んだ理由

 東京国立博物館の東洋館でいろいろな仏像を見たのだが、仏像や仏教について全然しらんなぁと思い、博物館で購入。

 

2.あらすじ(内容)

 2010年の作品。仏像や仏教に関するクイズを、イラストを交えながら紹介してくれる本。形式上クイズという形をとっているだけで、内容はイラストいっぱい・その他コラムいっぱいの分かりやすく楽しい本である。写真じゃなくてイラストなのが、逆にわかりやすくていいかも。仏像のランクや種々の眷属、座や印の種類、インド神話との関連性など、結構いろいろな情報を載せてくれている。580円という価格も嬉しい。

  

3.感想/評価

 ★★★--

 クイズの問いを中心に構成が建てられているので、体系的なリファレンスという読み物ではなく、どこからめくってもいい気軽な入門本として。あくまで「仏像」入門であって、「仏教」入門ではない。

 

4.どのような人に推奨するか

 安いし入門書としていいと思います。 

Desecravity / Orphic Signs

 

Orphic Signs

Orphic Signs

 

日本のテクニカルデスメタルバンド DesecravityよりOrphic Signsをレビュー。

  

1.作品を選んだ理由

 Amazonで新品が安かったので、3rdと同時に購入(2ndは1200円弱、3rdは1700円くらいでした)。

 

2.内容

    2014年リリースの2nd、3rd同様にWillowtipからのリリース。音楽性は先に書いた3rdと同様で、超絶技巧にハイスピードなテクニカル/ブルータルデスメタル。こちらの方がややデスメタル度が高いかもしれない。勢いだけでなくキチンと印象的なフレーズが配されている練られた楽曲群に、クリアな音質なので、聞きやすい。

 

 3.感想/評価(★の5段階評価)

 ★★★★★

 3rdとは甲乙つけ難いが、これも協力。

  

4.作品をどのような人に推奨するか

 音楽的志向の観点からの推奨文は基本的には3rd同様の説明となるので、持っていない人はややお手頃価格の2ndから購入でいかがかな?と思います。

Desecravity / Anathema

 

Anathema

Anathema

 

日本のテクニカルデスメタルバンド DesecravityよりAnathemaをレビュー。

  

1.作品を選んだ理由

 Amazonで新品が安かった。お値段は大事よ。

 

2.内容

    2019年リリースの3rd、Willowtipからのリリース。テクニカル/ブルータルなデスメタルで、すべてのパートが超絶技巧。低音に寄らずギターの指板をフルに使いきったようなギターフレーズはどことなくメロディアスでもあり、複雑な曲展開やリズムチェンジを繰り返しながらも、整合性のある複雑さ・テクニカルさである。Spiral ArchitectとかTwisted Into Formみたいな変拍子系テクニカルメタルを極端にデスメタル化したらこうなるのでは、とも思った。要所要所で浮遊感のある変拍子リフが登場する。邪悪さよりテクニカルさが目立つが、曲の大半は爆走パートでありテンションは非常に高く、スピードが落ちる場面も作りこまれたリフや拍子が面白く、飽きずに聞ける(曲がよいです)。ボーカルは低音咆哮系のデスヴォイスです。

 

 3.感想/評価(★の5段階評価)

 ★★★★★

 これはいい。

  

4.作品をどのような人に推奨するか

 超絶技巧、変拍子、ブラストビート、デスメタルなどのキーワードで引っかかりを覚える人にはいいと思います。