めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

木村泰司 / 名画は嘘をつく

 

名画は嘘をつく (ビジュアルだいわ文庫)

名画は嘘をつく (ビジュアルだいわ文庫)

 

木村泰司 / 名画は嘘をつく のレビューです。

 

1.作品を選んだ理由

 本屋で見かけて購入。ルーベンス展に行ってからというもの、西洋美術の知識をつけたい欲があるのだ。あと、妻がキリスト教と美術史に詳しいので対抗したい。

 

2.あらすじ(内容)

 2014年作。タイトルはやや釣りっぽいところがあって、嘘というよりは、絵のテーマに反したタイトルであるとか、実在する風景画に見えるが想像上の産物であるとか、キャラクターの誇張あるいはプロパガンダであるとか、そういった絵画の背景を教えてくれる。絵の背景を知り、「絵を読む」という鑑賞方法を提示する。人が描く絵なのだから、そこには作者の(あるいは依頼者の)意図が絵に表れるはずで、そういった内面も踏まえて絵を観察することはイマジネーションが膨らんで非常に面白い。

 ウソにフォーカスしているため、1つ1つの解説はあっさりめ(1ページ未満)で著者や絵そのものの解説は省かれがちだが、125点の絵画が綺麗な紙質で納められており、800円弱というのはコストパフォーマンス的に悪くない本だと思う。文庫本サイズなので絵に割けるスペースががどうしても小さくて細部が見づらいものがあるのは残念。最後の審判のような壁画を見るのはちょっと無理がある。また、本の構成上、紹介される絵画の順番に美術史上の脈絡はなさそうなので、絵画1つ1つを単発で楽しむような内容となる。

 

3.感想/評価

 ★★★★-

 Part2,3もあるようなので、おいおい買いたいと思います。

 

4.どのような人に推奨するか

 学校の美術の時間で習った絵をぼんやり覚えている程度の人でも、トリビア本として楽しめると思います。