Hour of Penance / Regicide
イタリアのブルータルデスメタルバンド Hour of PenanceよりRegicideをレビュー。
1.作品を選んだ理由
4th, 5thが気に入ったことから6th, 7thを追加購入。流通がよいバンドでよかった。
2.内容
2014年リリースの6thで、Prosthetic Recordsからのリリース。今度はドラムとベースが変わっている。メンバーチェンジが多いバンドだ。
さて、とはいえ音楽性は変わらず激烈なブルータルデス。切れ味のよくストレートなリフとアクセント的なメロディを配したギター、高速でブラストするドラムは前作譲り。ドラムはスネアがなんだか細かくて、リムショット的な音圧を感じる打音と、スコンと軽く高い打音の使い分けなどがある気がする。あとは、前作よりややテンポを落とすパートが増えたかな?くらいの違いで、やはり高品質でカッコイイブルータルデスメタルをやっている。毎回このバンドの作品は音がいい。
ボーナストラック3曲が入って14曲51分はブルデスにしては長め。ライナーを見てもなんのボーナストラックなのかよくわからないこの3曲は、本編と何ら変わりのない音楽性・音質でありアルバムの雰囲気を損ねるものではない(むしろ加点)。先行シングルというわけでもないし…
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★★★
安定して聞ける気持ちいいサウンドですな。
4.作品をどのような人に推奨するか
4th~6th(今作)のいずれもハズれはない印象なので、ブルデス好きにはこれもおススメします。
Eyeconoclast / Drones of the Awakening
イタリアのデス/スラッシュメタル Eyeconoclast / Drones of the Awakeningをレビュー。
1.作品を選んだ理由
Hour of Penanceの名作4thでドラムを担当しているMauroの別バンドということで、そのドラムに期待して。
2.内容
2013年リリースの2nd、Prostheticから。Hour of Penanceはヘヴィメタル的なカッコよさを持つデスメタルリフに超高速ブラストビートが組合さった素晴らしいブルータルデスメタルだったが、こちらは#11 のThe Crownのカバーに表れているように、ヨーロッパ系のデスラッシュスタイルと言える音楽性となっている。ボーカルはなんとなくThe Crownのヨハン・リンドストランドに似ている気がする。
とはいえ、ギターはクドくない程度のメロディを混ぜつつファットなサウンドで高速に刻みまくるパターンが多く、ドラムもスラッシュビートと同じくらいにブラストビートも多いので、デスラッシュの中では結構デスメタル感が強いものになっている。とにかく高速でガツガツと押し進む感覚は、(Deathrace Kingの)The CrownよりDefleshedとかDeath Chainっぽいかも。わかりやすいコーラスパートがあったりするのもそれっぽく、ハイスピードながらキャッチーなつくりである。あと、Hour of Penanceで聞けたように多彩で高速なドラムを聞いているだけでも楽しい。音も勢いがありつつもクリアでよろしい。
バンドメンバーのパート名がWar/Bestialブラック等にもよく見られるアホな命名で、そこもほほえましい。"0110 strings algorithms execution"とか多分2進数なので6弦ギターのことだと思うが草。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★★★
デスラッシュとしてかなり好きな部類に入るね。Hour of Penance周辺バンドは追いかける価値あるなぁ。1stも欲しい・・・。
4.作品をどのような人に推奨するか
本家Hour of Penanceファンにも、所謂北欧デスラッシュ好きにもハマる素晴らしい作品なので、ぜひ聞いてみてください。
池井戸潤 / 果つる底なき
池井戸潤 / 果つる底なき のレビューです。
1.作品を選んだ理由
半沢直樹シリーズで気に入った作者の、初期に評価された作品(第44回江戸川乱歩賞受賞)とのことで。
2.あらすじ(内容)
1998年の作品。銀行員の同僚坂本が不振な死を遂げ、その調査に奔走する中で銀行の闇に立ち向かう。半沢シリーズはエンターテイメントに振り切った読み味だったが、こちらは江戸川乱歩賞に選ばれたのも頷ける。端的に言って死人が出る作品あり、敵方の顔が見えない中での臨場感のある調査シーンやアクションシーン、重なる死者と深まる謎はミステリーのそれ。
3.感想/評価
★★★--
なるほどこういうところから銀行ミステリーと言われるようになっているのだね。半沢とは読み味が異なるものの、面白い。
4.どのような人に推奨するか
ミステリー好きに。半沢シリーズのようなエンタメ小説ではないので。
Hour of Penance / Sedition
イタリアのブルータルデスメタルバンド Hour of PenanceよりSeditionをレビュー。
1.作品を選んだ理由
4thと同じタイミングで購入。初Hour of Penanceです。
2.内容
2012年リリースの5thで、Prosthetic Recordsからのリリース。ドラムとボーカルが変わっている。が、基本的に前作を踏襲した激烈なブルータルデス。ドラムは変わったけど、後任も巧者でありスピードは全く衰えておらずブラストビート塗れなので安心せい。エスニック風なメロディ(メロディを感じられるフレーズ)がよりわかりやすい形で配されたり、ゆったりとしたビッグなパートがあったりと、やや緩急が出たところに前作との違いを感じるものの、基本的には同じ感覚で聞ける。前作同様に高品質でキャッチーな、カッコイイブルータルデスメタルに仕上がっている。トータル32分という短さも良い。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★★★
これも間違いなく素晴らしい。
4.作品をどのような人に推奨するか
前作(4th)が気に入った人は、入手しましょう。整合性の高い激烈なブルータルデス好きに推奨。
Hour of Penance / Paradogma
- アーティスト: Hour of Penance
- 出版社/メーカー: Unique Leader
- 発売日: 2010/03/30
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 1回
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イタリアのブルータルデスメタルバンド Hour of PenanceよりParadogmaをレビュー。
1.作品を選んだ理由
2018年末くらいから久しぶりにブルータルデスの気分になってきていた。今まで聞いたことのなかった当バンドの作品をディスクユニオン渋谷店で見かけたので、さっそく購入。
2.内容
2010年リリースの4thで、名門Unique Leaderからのリリース。結構メンバーの変遷が激しいというか、この時期には既に初期メンバーは誰もいなくなってるんだね。
内容は一言で表すならば、超高品質ブルータルデスメタル。その特徴はドラムとギター(ブルデスは全部そうかもしれないけど)。整合性がありつつも機械的に正確で手数の多いドラムは超速ブラストビートを繰り広げ、高速フィルやギターとシンクロしたキメで楽曲にアクセントを加える。切れ味抜群のディストーションサウンドを持つギターは、テクニカルデスの複雑系ともスラム系ブルデスの低音ズンズン系とも異なる、正統的なヘヴィメタル/スラッシュメタルを思わせる「カッコイイ」リフを持っている。ギターソロは偶に出てくる程度だが、リズムとリフだけでおいしい場面が多すぎるため気にならない。
高品質と書いた通り、とにかく音が綺麗。音圧とパワーがありつつも整ったサウンドは、上記のわかりやすいカッコよさも相まって、聞きやすさにかなり寄与していると感じる。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★★★
めちゃくちゃカッコイイデス。メイン作曲者のGuilioって、ワイと同い年なんか…。他のアルバムもぜひ手に入れたい。
4.作品をどのような人に推奨するか
ブルータルデス好き、エクストリームメタル好きは必携でいいのでは。ただ、オールドスクール派の人には、高品質=作りこまれたやや機械的なサウンドが合わないかもしれないね。私は好きです。
Origin / Informis, Infinitas, Inhumanitas
オリジン&インフォーミス、インフィニタス、インヒューマニタス
- アーティスト: オリジン
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2005/12/07
- メディア: CD
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アメリカのブルータル/テクニカルデスメタル Origin / Informis, Infinitas, Inhumanitasをレビュー。
1.作品を選んだ理由
だいぶ前からこれだけ持っていた2nd。こないだ4th買ったので、久しぶりに聞いてみる。
2.内容
2002年リリースの2nd、これも大手Relapseから。先にレビューした4thはハイスピードながらややテクニック偏重でもあったが、こちらの2ndでは低音中心の禍々しいリフが多く、ドラムは本当にブラストしっぱなしでバカ速いということで、よりストレートなブルータルデスメタルになっている。サウンドはクリアで良好、ドラムとギターが分離されて良く聞こえる。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★★-
4thよりこっちのが好きかな。
4.作品をどのような人に推奨するか
とにかく速いドラムが大正義なデスメタラーにおススメします。
Origin / Antithesis
- アーティスト: オリジン
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2008/04/09
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 2回
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アメリカのブルータル/テクニカルデスメタル Origin / Antithesisをレビュー。
1.作品を選んだ理由
昨日買いました。Originさんは界隈で有名なので。これ以前は2ndしか持ってない。先に知ったのはこのOriginですが、同ドラマーのJohn Longstrethが参加しているAngelcorpseが好きなのです。
2.内容
2008年リリースの4th、大手Relapseから。方向性はブルータルとテクニカルでいえば後者寄りで、ギターは中音域中心の非常に細かいフレーズやピロピロとした超高速スウィープが随所に配されている。ドラムもハイスピードで複雑なビートをたたきまくっておりその大半はブラストビートであるが、すっきり整ったドラムサウンドは暴虐性よりテクニカルさを印象に残す。テクデスらしく高品質でキレイなサウンドだが、バランス的にはギターとドラムが強い(ボーカルは少し遠い気がする)。たまにわかりやすいビートでテンポダウンして低音リフを刻むパートはあるものの、全体の8割は爆速ドラム+超絶技巧フレーズという感じ。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★--
あんまり好みのスタイルではないかな。2ndもあまり印象にない。品質は高いと思うのだけど、Braindrillほど突き抜けた変態さでもなく、「スゴイけど地味」みたいな感想になってしまう。
4.作品をどのような人に推奨するか
スウィープ等の技巧的なフレーズを駆使したテクニカルデスメタル派に推奨かしら。
池井戸潤 / オレたち花のバブル組
池井戸潤 / オレたち花のバブル組 のレビューです。
1.作品を選んだ理由
1作目を読んで存外面白かったため、半沢直樹シリーズ2作目として購入。
2.あらすじ(内容)
2008年の作品。作品の世界観は前作同様なので省略するが、支店から本部営業部に異動した半沢が、大きな運用損を出した融資先の伊勢島ホテルの再建・金融庁検査対策などに巻き込まれ、裏に蠢く不正を暴き立てながらこれらの事件に立ち向かっていくという内容。金融庁の担当者黒崎のキャラ付け(所謂オネエ言葉)は安易というかちょっと浮いているような気もしたが、追い詰められた状況からの逆転劇は相変わらずで、面白く一気に読めた。
3.感想/評価
★★★★-
金融庁検査っていうテーマがいいね。こんなこと会社では絶対できないなぁと思うからこそ、証拠と弁舌で相手をやりこめる半沢に痛快さを感じる。
4.どのような人に推奨するか
前作「オレたちバブル入行組」が楽しく読めた方にはおススメ。ドラマ版は、前作と今作をまとめたストーリーになっているらしい。
Foetopsy / Dyspartum
アメリカのブルータルデスメタル Foetopsy / Dyspartumをレビュー。
1.作品を選んだ理由
もう覚えてないけど、どこかのレビューサイトで見たと思う。
2.内容
2003年リリースの1stらしい。Metallumにも記事がないのだが、ドラムはBrodequinのJohn Engmanであるとのこと。Brodequinにも通じる調性やメロディのない低音リフにクソ速いブラストビートが乱舞し、低音がテラルボイスが咆哮するアンダーグラウンド性と突撃性の高いブルータルデス。1曲1曲が非常に短いのが特徴で、ほぼ全曲が1分前後で駆け抜ける20曲21分。音は生っぽく荒々しい。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★★-
速い!
4.作品をどのような人に推奨するか
スピード感のあるブラストビート塗れのアンダーグラウンドデスメタルが好みの方。
さくらももこ / そういうふうにできている
さくらももこ / そういうふうにできている のレビューです。
1.作品を選んだ理由
妻が私向けに図書館で借りてきてくれた本シリーズ。借りてきたのは文庫ではなく単行本の方でした。新潮から。
2.あらすじ(内容)
1995年の作品。作者が妊娠し、出産にいたるまでのエッセイ。経験していることそのものはスタンダードの妊娠・出産であるのだが、作者ならではの切り取り方で自身の体験を書き出している。妊娠中の排便体験についてこれだけ克明に描いた人は他にいないんじゃないか・・・。後はモモエちゃん(山口百恵)にいい病院を紹介してもらうために電話をかけるシーンなどが印象的。
毒を混ぜつつバカバカしくも軽妙な語り口調と、時にしんみりとした共感を呼ぶ表現力で以て自身の体験を語っていく。もともとちびまる子ちゃんを読んでいた私の印象としては、「(いい意味で)ちびまる子ちゃんのセリフ回しそのまんまやな・・・」であり、つまりこれが作者の色であり強みなのだと思う。最終回で本書タイトルに至るのも美しい(もともと月次連載の作品だったようなので、むしろ単行本化にあたってこの言葉を選んだのだということだろうけど)
3.感想/評価
★★★★-
この人のセンス好きだなぁ。他のエッセイも読んでみましょうね。
4.どのような人に推奨するか
個人的にはやっぱり「毒のある笑い」「人間臭さ」が好みなので、こういうワードに引っかかる方。あと、ちびまる子ちゃんも読むべし。
宇野維正 / 1998年の宇多田ヒカル
宇野維正 / 1998年の宇多田ヒカル のレビューです。
1.作品を選んだ理由
図書館の平成特設コーナーで見かけて。普段新書は手に取らない(インパクト狙いのタイトルだけ本が多い気がして)のだが、まぁ世代なので…。
2.あらすじ(内容)
2016年の作品。宇多田ヒカル・浜崎あゆみ・椎名林檎・aikoの4人がデビューした1998年がいかに音楽業界的にすごい時代であったか、各人の才能・戦略(売り出し方)が如何程であったかを、音楽ジャーナリストである著者が語る。
データ部分や戦略的な話は興味を持って読めたものの、特にどこかの結論行き当たるわけではないという。
3.感想/評価
★★---
世代の人間なので興味を持って手に取ったものの、やや飛ばし読み。
4.どのような人に推奨するか
うーん、特におすすめはしないかな。
Vlad Tepes / War Funeral March
フランスのカルトブラックメタル Vlad TepesのWar Funeral Marchをレビュー。
1.作品を選んだ理由
Morte Luneを先に聞いてあまりの音質にびっくりしたが、こっちの方がまだマシ的な話を聞いてゲット。
2.内容
元は1994年のデモテープ(#1-#5)に、1993年のリハーサル音源(#6-#9)をカップリングした2013年にDrakkarリリースのコンピレーション。音楽性はMorte Luneで説明した通り極めて真っ当なプリミティブブラックだが、音質はこちらのほうがよろしい。ドラムがポコポコとしていてあまり聞こえない以外はギターもよく聞こえボーカルも迫力がある。何よりあの酷い音割れ感がなくなっているのが、聞きやすさの向上に寄与している。後半のリハ音源はやや音が遠く、軽くなる。比較論でよい点を挙げたが、トータルの印象はサタニック&カルトで変わりなし。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★--
プリミティブブラックとして評価できる(評価しやすい)内容になっています。実際リフはいいんだよ。
4.作品をどのような人に推奨するか
最初にVlad Tepesを聞くなら、こっちにしましょう。なお、2018年には各種リリースをまとめたボックスセットがDrakkarから出ているようなので、そっちを手に入れてもいいのかも。
Vlad Tepes / Morte Lune
フランスのカルトブラックメタル Vlad TepesのMote Luneをレビュー。
1.作品を選んだ理由
フランスのカルト集団Les Legions Noir(英訳ではThe Black Leions)ってことでお名前は有名だったので、初めて手に取ったのがこれ。
2.内容
元は1996年に数本レベルで制作されたデモテープで、2013年にDrakkarからリリースされた。初期Darkthrone的な不協和音とコード感の入り混じるリフ、シンプルなドラム、邪悪な吐き捨てボーカルとった構成要素は、とってもプリミティブ。演奏は存外しっかりしていて、高速に刻んだりうっすらとメロディをにおわせるギターリフや高速ギターソロなどの構成要素は割としっかりしている。ちゃんと聞けば曲は良さそうな気がするが、問題はそのあまりにカルトな音質。緞帳の向こう側からうっすら聞こえるような薄っぺらい音で、且つ劣化したテープのようなひび割れ感やノイズ感がたっぷりで、全く以てプロフェッショナルな音質ではない(ただし、そういうものではないといえばそれまでであり、おそらく彼らのコンセプトとしてはこのサウンドは意図的で正しい)。。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★---
自分が持っている中でもトップクラスのカルト音源。曲は悪くないと思うけど、やっぱりノイジーさがすさまじく気軽には聞けない。
4.作品をどのような人に推奨するか
プリミティブなブラックメタルが好みの方に。ちょっとマニア向け過ぎると思うが、プリミティブブラックメタルを掘るうえでの一つの試金石にはなりそう(このレベルが許容できるか、できないかという)。ただ、これが聞けなかったからといって、ブラックメタルが向かないとかそういうことは全然ないと思うけど。
池井戸潤 / オレたちバブル入行組
池井戸潤 / オレたちバブル入行組 のレビューです。
1.作品を選んだ理由
半沢直樹シリーズの原作ということと、銀行をテーマにした小説ということで。なお、TBSのドラマは当時見ていません。
2.あらすじ(内容)
2007年の作品。大手銀行(今でいうとメガバンクになっているような)に入社し、融資課長を担当する半沢直樹。支店長が無理に取り付けた融資の貸出先が倒産し、その責を負わされる半沢。融資の背景を探り出し、黒幕を突き止め債権回収を目指す。
一言でいって銀行エンターテインメント小説。半沢が追い込まれる様、調査の過程、逆転劇のすべてがまさにドラマという感じで、非常に楽しく読める。黒幕をやりこめる時のカタルシスも素晴らしい。映像版も面白かったんだろうな。
作者は嘗て銀行に勤めていた経歴があり、ここで描写されている組織風景は非常にリアリティがあるという。私は銀行員ではないのだが、従事している仕事は銀行と関係あるのでその組織的な風土というのは肌感覚としてちょっとわかる気がする。
3.感想/評価
★★★★★
これは売れますわ。恋愛小説とか青春小説は余り好きではないけど、こういう企業エンタメは面白いね。個人的には、かつて住んでいた大阪の地名が頻繁に出てくるのと、くどくない程度に銀行用語の説明・解説を入れてくれる優しい作りも良かった。
4.どのような人に推奨するか
いわゆる日本の企業に所属してサラリーマンやってる人、特に30代中堅以上におススメかな。例えばこれを自分が中学生の時に読んで面白かったかというと、それは微妙な気がする。自身の体験と少しでも重なったり共感したりする部分があるからこその楽しさなのかもしれない。
Vorum / Poisoned Void
フィンランド自治領オーランド諸島のブラック/デスメタル Vorum / Poisoned Voidをレビュー。人口3万もいないようなところで、よくこんなバンド組めたね。なお、公用語はスウェーデン語の模様。
1.作品を選んだ理由
レーベル&ジャケ買い。Dark Descentということで、オールドスクール感のある暗いデスメタルなんだろうなと思いました。
2.内容
2013年リリースの1st。Entombedあたりを想起させるドライブ感があってわかりやすいトレモロデスメタルリフと、ブラストしつつもなんだかノリのよいドラムによって紡がれる、アンダーグラウンド感がありつつもどこかキャッチーなデスメタル。予想通り、暗いメロディを纏い湿った雰囲気を持ったオールドスクールデスメタルをやってくれている。曲もコンパクト(8曲35分)で焦点がはっきりしている。そのリフのつくりから、Incantationっぽく感じる部分もある(低音ズルズルのスローパートはないけど)。サウンドは非常にクリアながらも、先述した禍々しい雰囲気を保てており、曲を引き立てるプロダクションになっていると思います。
3.感想/評価(★の5段階評価)
★★★★-
激速ブルータルデスメタルではなく、渋いオールドスクールデスメタルとしてかなり好みの音である。結構よく聞いている。
4.作品をどのような人に推奨するか
わかりやすい北欧オールドスクールデスメタルでリフも音も魅力的なので、そういう音に興味がある人は入手して損はないと思うよ。