さくらももこ / そういうふうにできている
さくらももこ / そういうふうにできている のレビューです。
1.作品を選んだ理由
妻が私向けに図書館で借りてきてくれた本シリーズ。借りてきたのは文庫ではなく単行本の方でした。新潮から。
2.あらすじ(内容)
1995年の作品。作者が妊娠し、出産にいたるまでのエッセイ。経験していることそのものはスタンダードの妊娠・出産であるのだが、作者ならではの切り取り方で自身の体験を書き出している。妊娠中の排便体験についてこれだけ克明に描いた人は他にいないんじゃないか・・・。後はモモエちゃん(山口百恵)にいい病院を紹介してもらうために電話をかけるシーンなどが印象的。
毒を混ぜつつバカバカしくも軽妙な語り口調と、時にしんみりとした共感を呼ぶ表現力で以て自身の体験を語っていく。もともとちびまる子ちゃんを読んでいた私の印象としては、「(いい意味で)ちびまる子ちゃんのセリフ回しそのまんまやな・・・」であり、つまりこれが作者の色であり強みなのだと思う。最終回で本書タイトルに至るのも美しい(もともと月次連載の作品だったようなので、むしろ単行本化にあたってこの言葉を選んだのだということだろうけど)
3.感想/評価
★★★★-
この人のセンス好きだなぁ。他のエッセイも読んでみましょうね。
4.どのような人に推奨するか
個人的にはやっぱり「毒のある笑い」「人間臭さ」が好みなので、こういうワードに引っかかる方。あと、ちびまる子ちゃんも読むべし。