アンデシュ・ハンセン / スマホ脳
- 作者:アンデシュ・ハンセン
- 発売日: 2020/11/18
- メディア: Kindle版
アンデシュ・ハンセン / スマホ脳 のレビューです。
1.作品を選んだ理由
最近売れている新書のようですね!書店での宣伝とわかりやすいタイトルに釣られクマして購入。
2.内容
原著は『skärmhjärnan』と言う2019年に発表されたスウェーデンの本で、2021年に新潮新書からリリースされた訳本がこちら。日本語訳で現れた釣りタイトルかと思いきや、スウェーデン語で『skärm』がスクリーン(画面)、『hjärnan』が脳ということで、わりと原題そのままだった。作者は精神科医だそうですね。
本書の論旨は明快です。人間の進化はデジタル社会の進化の スピードに全く追いついておらず、スマホ利用でもたらされる種々の問題は先史時代からの変わらない人間の脳の反応である、ということです。とにかく作中何度も、「とりあえずサバンナに戻って考えてみよう」という比喩表現が頻出します。
個人的には「新しい情報を求める」というキーワードで説明されるスマホ欲求が新鮮で納得感がありました。人はhttpの海を泳ぐとき、今見ているwebページそのものではなく、既にその次の情報を求めている、というようなことです。Twitterを触っていて、大して読んでもいないTLをひたすらスワイプしているあの感じです。結局なんの情報にもなっていないのにね。
対策としては、割とどこかで聞いたような感じの、言うは易く行うは難しな内容が書かれています。日の光を浴びる、運動をする、スマホから距離を置くなど。
作者自身も言及するように、ライトで読みやすいサイエンス読本です。数式・専門用語・参考文献の嵐にはなっていないし、紹介される事例や研究もまぁわかりやすいと思います。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★★
面白かったです。現代的な研究だと思います。なお、これを読んだあともスマホポチポチしてる模様。なかなか人間変わらんな。
4.どのような人に推奨するか
スマホをよく触っちゃう人、そしてそれを自覚していてあまりいいことではないなぁと漠然と考えている人。触っちゃう理由とダメな理由が見つかるかもしれません。