ドナルドキーン / 思い出の作家たち
思い出の作家たちーー谷崎・川端・三島・安部・司馬 (新潮文庫)
- 作者:ドナルド・キーン
- 発売日: 2019/04/26
- メディア: 文庫
ドナルドキーン / 思い出の作家たち のレビューです。
1.作品を選んだ理由
タイトル買いというかコンセプト買い。谷崎・川端・三島・安部・司馬の5人をキーン先生が語るというのだから…。
2.内容
作品自体は2006年頃に発行された新潮文庫だが、これまでに雑誌などに寄稿されたいくつかの紹介文などを統合した決定稿ということならしい。ドナルドキーン先生が自身と谷崎・川端・三島・安部・司馬の5人との出会いや関わり、作品への思い入れを語るというエッセイ集。谷崎・川端は年齢差の関係もあろうか、やや距離を置いた作品評に近い書き方なのに対して、残り3人はより近い距離感での関係性も語られる。各作品は結構しっかり解説してくれるので、未読の作品を手に取ってみたくなる。ジープの揺れる後部座席で『細雪』をむさぼり読んで感動するところが好きだ。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
作者の人となりや作品への思いなどが見えてくるのが良い。記録的な意味合いでも価値あるエッセイだと思います。
4.どのような人に推奨するか
日本文学/文学評論好き向けかな。表題の5作家に興味がある方なら読んでみてもいいのではないかしら。