アイナ・ジ・エンド / The End
- アーティスト:アイナ・ジ・エンド
- 発売日: 2021/02/03
- メディア: CD
BiSHのメンバー、アイナ・ジ・エンドさんのThe Endをレビュー。
1.作品を選んだ理由
特に存在は知りませんでした。BiSHも名前は知っていたけど、特に聞いたことはありませんでした。普段ポップスを聞くわけでもない我が家ですが、奥さんが久しぶりに欲しいCDだと言って買っていたので、自分も聞きました。そういう人間が聞いた感想となります。
2.内容
すべての楽曲でアイナ・ジ・エンドが作詞作曲を行った、2021年リリースのソロアルバム。昔から発表するしないは置いといて自身のセラピーみたいな形で作曲はしていたらしいので、それらの積み重ねがこの12曲のアルバムという形に結実したようです。なお、1CD版、2CD版、2CD+Blu-ray版とありますが、手持ちは2CD版デス。しかしそれでも税抜き3,900円か…国内のCDは昔から高いですね。
まず楽曲について。各楽曲のメロディには一本芯が通っているというか。マイナー調で泣きで、半音を効果的に使ったどこか懐かしいような歌メロは、クサメロ系ヘヴィメタルとの共通点を見出したりもします。アレンジは元気のいいロックサウンドからストリングスの効いたバラード、エレクトロとまで様々だが、亀田誠治が全面的にアレンジ・プロデュースに携わっているということもあって、どうしても椎名林檎(事変ではなくソロの方)が比較対象に浮かびますね。後は同じくらいの時代だとCOCCOあたりになるでしょうか。90年代~00年代のグランジを通過した邦ロックサウンドという感じがします。ボーカロイド音楽によくある詰め込みに詰め込まれた密なサウンドではないです。ボーカルを中心としたオーセンティックでオールドスクールでコンパクトな楽曲が並んでおり、聞きやすいです。
そして肝心のボーカル。ハスキーでかすれがかった声で切実に切迫感を持って歌い上げるアイナの声には耳を引くパワーがあります。ブレスも含めオンマイクで鮮明に聞こえるボーカルワークは、こっちが元気ない時に聞くと疲れそう。さらりと聞き流せない・させない力があると思いました。
Disc2はオマケですね。必ずしも本人が歌っているわけではないコラボ曲が並んでおります。あくまでFeat.アイナ・ジ・エンド です。その中でもLUNA SEAのSUGIZOの楽曲『光の涯』は出色の出来でした。LUNA SEAを思い起こさせるリヴァーブの効いたアコースティックな音空間と、アイナのボーカルが良くマッチしていると思います。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★★
良盤。Disc2はオマケ感は強いけど、1CDでもどうせ3000円なんで、2CD版でまぁよかったんじゃないかな感。
4.どのような人に推奨するか
初期の椎名林檎・COCCO等のロック/ポップサウンドと情念の籠ったボーカルが好きな方には結構刺さるのではないかと思います。