めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Leprous / The Congregation

The Congregation

The Congregation

  • 発売日: 2015/06/05
  • メディア: MP3 ダウンロード

ノルウェープログレッシブメタル、Leprous / The Congregationをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 初めて買ったLeprousです。最初に知ったのはIhsahnあるいはEmperorのバックバンドとしての彼です。なんかIhsahnの義理の弟らしいね。 

2.内容

 2015年にInside Outからリリースされた4th。このバンドは首魁の2人であるEiner Solbergと、Tor Suhrke以外のメンバーは結構変わってるみたいなんだけど、彼らが音楽の核なのでそんなに気にならない。が、本作で加入したBaard Kolstaadくんは触れておく価値がある。ノルウェーブラックメタル人脈でも活躍するドラマーで、本作では繊細で複雑なフレーズを難なく叩き出すし、変則拍子によるリズムとギターのシンクロナイズに様々な彩りを加えている。Opethが如くリフの反復が多く、ある種の地味さがある音楽性だとは思うんだけど、そこに聞いているだけで楽しいドラムがいるってのは素晴らしいことだと思います。
 低音ギターやミュートギターによるギターリフとリズムのシンクロ、カウント不可能な拍子、ダウナーでモノクロームな雰囲気、Einerによって朗々とハイトーンで歌い上げられる雄大なメロディ。初期作はざらついたメタリックなギターリフやデスヴォイスもあったようなんだけど、本作ではそういった要素は全く姿を消していてる。やっぱEinerの歌がうまくなったからなんですかねぇ…。おかげで類型的なプログレメタルっぽさが薄れ、シンプルにLeprousっぽいなぁーとしか言えない音楽になった気がする。   

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 ここから入るもよし。バランスの取れた良作。

4.どのような人に推奨するか

 作品を重ねるごとにメタルファン向けではなくなっていく気がするこのバンドだが、ここまではまだ大丈夫。まだヘヴィです。個性の確立された作品という意味では前作『Coal』か本作をまず聞いていただき、ヘヴィメタルな方向性がお気に召した方は初期作に戻る、リズムとボーカルに魅力を感じた方は次作以降を聞く、というのが良いと思います。