めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Caligula's Horse / Rise Radiant

Rise Radiant -Ltd/Digi-

Rise Radiant -Ltd/Digi-

オーストラリアのプログレッシブメタル、Caligura's Horse / Rise Radiantをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 ぜーんぜん知らなかったんだけど、Inside OutのYoutubeチャンネルで出てきたのを聞いたところ、これが刺さった。2020年現在の最新作である本作を買ってみたよ。

2.内容

 前作4thから3年空いて2020年にInside Outからリリースされた5thフル。本作で初めてWard Recordsから日本盤が出た。Avalonじゃないんですねー。8曲47分のアルバムに、2曲のカバー、1曲のライブトラックを追加した内容です。カバー2曲までは輸入盤でも入っているみたいなので、日本盤のメリットは解説・対訳・ライブトラック1曲ということになります。私はこのバンド初めてということもあり、またお布施の意味も込めて日本盤を買った。メンバーが途中入れ替わりがあったようだけど、中心人物と思われるJim GreyとSam Vallenは健在。  さてさて初めてこのバンドを聞くわけですが、これは大変素晴らしいですね。音楽的な類似性を求めるとやっぱりLeprousやHakenが一番に挙がるかな。それにちょっとのPain of SalvationOpeth味、あと雄大なメロディにBorknagarやWinterfyllethのようなネイチャーブラックメタル的な雰囲気も感じ取りました。先に挙げたバンドとの違いは、ジャケットからも感じられるようなポジティブで明るいムードが漂っていることかな。
 ひねくれた譜割りと拍子でドラム・ギター・ベースがシンクロする演奏に、瑞々しいキーボードやアコースティックギターが交わり、広大なサウンドスケープを演出します。ボーカルは裏声を多用しながら朗々と歌い上げるタイプでLeprousのEinar Solbergくんとの類似性を指摘したくなるが、こちらの方が柔らかくいい意味でポップな感じがします。雄大で美しく郷愁的なメロディーに溢れたこのバンドには、この歌い方のほうが合っているね。とにかくボーカルもギターも美しいメロディーを遠慮なく連発してきます。それでいてテクニック厨も満足する楽曲構成にプレイアビリティまで見せてくれるんだから、もう完璧ですね。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 これは本当に良いね。感動した。ジャケットもいいよね。

4.どのような人に推奨するか

 いろんなバンドのイイトコ取りみたいなバンドです。美しく雄大なメロディと、複雑てテクニカルな演奏を含んだ抒情プログレメタル派に超おススメ。重要度は明らかにメロディ>テクニックなので、バカテク博覧会をお求めの方には非推奨。