めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Leprous / Malina

Malina

Malina

  • アーティスト:Leprous
  • 発売日: 2017/09/01
  • メディア: CD

ノルウェープログレッシブメタル、Leprous / Malinaをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 2015年の『The Congregation』と2016年の『Live at Rockefeller Music Hall』までは持ってて、結構好きだった。最近のprog metal熱に乗じて本作を買ってみた。このバンドを知ったのは、多くの人がそうであるかもしれないがIhsahn人脈としてデス。 

2.内容

 2017年にInside Outからリリースされた5th。プログレメタル度…というかメタル度がさらに大きく下がりました。幽玄な雰囲気とメロディを湛えたEiner Solbergのハイトーンが際立つボーカルラインとコーラスを中心に、バックを固めるひねくれた譜割で引っ掛かりのあるリズム、それとシンクロするテクニカルなギターやシンセサイザー…といった音楽的要素を挙げていくと前作『The Congregation』全然作『Coal』と遠からずのLerous印が刻印された内容されたアイコニックなサウンドではある。
 異なるのは全体のバランスというか配分ですかね。 作品を重ねるごとに個性と魅力が強化されていく歌への偏重が見られる。また、メタリックなディストーションから離れたオルタナちっくなギターサウンドから繰り出されるフレーズは、低音弦の刻みがかなり姿を消し、チャカチャカしたカッティングが良く聞かれるようになった。エレクトロ・シンセサイザーの比率も上がっていて、この辺りが総じてメタル度が下がったと感じる理由です。
 しかし、それが音楽的な魅力の低下を招いているわけではない。もちろんヘヴィメタリックな感触自体に魅力を感じている人にはそこは減退していることになるし、一聴して派手なフレーズはないです。が、Baard Kolstadのドラムスによるリズムの入り組み具合とメロディの充実ぶりは過去イチと言ってもいいでしょう。   

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 ある意味ダウナーで地味であるが、静かに燃えるような情熱を感じます。好きです。

4.どのような人に推奨するか

 ひねくれたリズムとテクニカルな演奏、ハイトーンボーカルが好きで、典型的なメタルサウンドでなくても楽しめる方にはおススメ。Pain of Salvationの『Panther』は、似てはいないけれど近い感覚だなぁ。