めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

ウィリアム・ギブスン / ニューロマンサー

ウィリアム・ギブスン / ニューロマンサー のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 いろんなところで名作として推されている作品で、サイバーパンクSFの祖だということで買ってみたよー。あと、1ページ目の章タイトル『千葉市憂愁(チバシティブルーズ)』に心魅かれたのも事実。

2.内容

 原作は1984年。もっと新しいかと思ってた。アメリカの作家ウィリアム・ギブスンはこの作品でヒューゴー賞ネビュラ賞などの名誉ある賞を受賞したようである。作品名はどこで区切るのか分からなかったが、原題はそのまま『Neuromancer』。NeuroのMacerということで、神経を操る人みたいな意味合いでしょうかね。作中の根幹技術に関わるタイトルではある。New-Romancerとかかと思ってたよ。
 本作は1986年当時の翻訳がそのまま使われていて、新訳版などは出ないまま版を重ねている。手持ちは42刷。まぁこの翻訳は確かにこれで完成されていて新訳は出しにくいかも知れん…と思う程度には翻訳者のアレンジが効いているように思う。章タイトルから既にわかる通りの造語と当て字だらけの訳出と、軽妙な会話のテンポに読者は置いてきぼりにされる。されなかった人は凄いですね。私はされました。ストーリー自体はそんなに複雑ではない模様だが、とにかく良くも悪くも雰囲気に酔う作品。SFマガジンの書評を見ても、過去同じように圧倒されて途中で読むの諦めた人もいたようなので、そっちに親近感が湧きます 。  

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 自分は作品世界を十分に楽しめたとは言い難い。

4.どのような人に推奨するか

 上記の内容の通りです。ストーリーがどうとかではないので、翻訳や世界観に魅かれればハマるだろうし、合わなければつまらないと思います。