レイ・ブラッドベリ / 華氏451度 [新訳版]
レイ・ブラッドベリ / 華氏451度 [新訳版] のレビュー。
1.作品を選んだ理由
タイトルがと表紙がカッコイイからです。SFはこれよ。
2.内容
2014年にハヤカワ文庫(SF)から出版された新訳版。旧訳に比べて新訳では分量が3/4程度にスリム化されているらしい。300ページ足らずのサイズ感で、文庫本を手に取った時も他SFに比較して薄めの感触。華氏451度は本が燃える温度≒摂氏233度くらい。原作は1953年。本の所持が禁じられ焚書が根付いたディストピア世界でファイアマン=昇火士としてごく当たり前に働いていた主人公が、少しずつ目が開かれ少しずつ世界に反抗していく。その中で自分の家も焼かれることになってしまうわけだが…むしろそこからの展開と反抗勢力との合流・知識への希望が本作の最もスペクタクルなパートである。序盤の思わせぶりな美少女は後半で重要な活躍をする…かと思いきや特に出番がない。なんだったんや…。テクノロジー的な面はあまり強調されないが、焚書世界で生きる人たちの考え方がよく描写されている。一言でいえば「何も考えない」人間になっている。政治的・教育的なテーマだなぁ。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
良かった。
4.どのような人に推奨するか
焚書という要素がSFでありつつも現実的で政治的な作品にしている。短めなので、SF初心者にも。