めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

体験記:超写実絵画の襲来(Bunkamuraミュージアム)

Bunkamuraミュージアムの「超写実絵画の襲来」展に行きました。

1.鑑賞のきっかけ

 緊急事態宣言が解除され、美術館も再開され始めたので、なんかしら行きたかったんだよね。そんな時に探していて目についたのがこの写実絵画でした。会期も6月末までだし、せっかくだし行っておこうと。

2.内容

 先に美術館に入るまでを述べておくと、ビル側・美術館側の感染防止に余念がなかった。フェイスガード+マスクをした受付員がソーシャルディスタンスを守った行列案内をし、各人の体温を測り、住所・連絡先を書かせる。面倒だけど仕方ないね。土曜朝イチだったのでそこまで混んでなかったけど、それでも開館前にそこそこ並ぶ程度には人がいたので。
 基本的には千葉県にある写実絵画専門美術館「ホキ美術館」の所蔵作品からの展示。ホキ美術館ってどこの国にあるんだ?と思ってたけど、保木さんの美術館ということなのね…。写実的で美しい絵画がたくさん並ぶ。一口に写実と言っても、よく見れば絵だなというものから、どこまで細部を見ていっても全然絵に見えない恐ろしい精密さのものまであるが、観察力・集中力・色彩感覚の鋭敏さはどの作品からもつよく感じられる。「よく見れば絵」「全く絵に見えない」はどっちがイイとかワルイとかはない。結局自分の目をフィルタして出力しているわけだし、その構図を切りとるのは自分なわけだから、作者の個性はどうしたって出ていると思う。「よく見れば絵」のパターンはwebや画集で見ていては分からないであろう細部の塗りや描き方が、ある程度の距離から集合的に鑑賞した時にものすごく写実的に見えるという、目の錯覚のような感覚を味わえた。
 1点残念なのは、仕方ないとは言えその製作技法。やっぱり写真を撮ってそれを参考にしながら書いたりするんですよ。でも写真は撮った時点で自分の目ではなくカメラの目を通した絵になってしまうはずだし、色も焦点もカメラに依存したものになってしまうのではないかと。まぁあくまで自分の目で見たものを表現することが大前提になっていると思うし、制作に年単位でかかると聞いたからそれも止む無しとも思ったけど、それでもやはりモヤっとしますわね。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 これまでで一番絵の細部を近くで覗き込んだかもしれない。結界が弱めだったのもあり、見やすかった。

4.どのような人に推奨するか

 「写真じゃん」と思っている人ほど行った方がいいかもしれないです。やはり「絵」なんだな。

Ex.ギャラリー

入ってすぐのとこ

f:id:metal-metal-slime:20200622112437j:plain

唯一の撮影可能作品

f:id:metal-metal-slime:20200622112442j:plain