めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

体験記:見えてくる光景 コレクションの現在地(アーティゾン美術館)

アーティゾン美術館の「コレクションの現在地」展に行きました。

1.鑑賞のきっかけ

 特にその作品がとか企画がとかいう目的ではなく、単純にしばらく閉館していた旧ブリヂストン美術館が、装いも新たにアーティゾン美術館と名を変えて開館したということで、行ってきたもの。ずっと前から2020年に開館って言ってたから、長かったね。

2.内容

 展示内容は基本的にブリヂストン財団の所有品を展示してくれているというもので、久しぶりに開館する美術館が満を持して選り抜きのコレクションを選んだのだろうな、というもの。第一部では近現代(19世紀以降中心)の絵画作品、第二部はオールタイム…エジプト新王国 ラムセス2世治世下のレリーフ(紀元前1,200年くらい)や銅像といった3次元作品に、様々な国・時代の画家による絵が登場する。
 基本的にチケットは日時指定予約制で、いくつかの時間帯から選んでチケットを購入する。空きがあれば当日でも入れるようだが、この日は事前にチケットを購入して参戦。購入も支払いもWebで完結、入場もQRコード提示のみとラクチン。美術館の入場ゲートは6Fにあり、金属探知機と思しきゲートによる強固なセキュリティが敷かれている。全作品を見る場合、一本道ではなく行ったり来たりが発生する構成になっているため、最初は導線がわからず戸惑った。広さ・客入りの適切さ・空調・採光(展示室は当然照明管理されているが、各階展示室から出られる外周廊下は日ざらしで気分転換になる)と、それぞれの質が高い。一番うれしいのは、作品の前に原則「結界」がないこと。これによって、各作品を細部までゆっくり鑑賞することができる。このために入場時セキュリティが厳しいのかも知れないが、全然OK。一観覧者としては、やっぱり結界がないほうがいいLEDを用いたスリットライトによるサイン、フロアごとに異なる色がグラデーションを作る床板など、一定部分が欠けたパターンによるランダム性を感じる円柱など、建築部分に関する興味関心が湧いた。その意味では、展示室内には本ビルのデザインや素材を紹介するエリアもあってよかった。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 初めて行く美術館なので、どーも美術館そのものの話になってしまった。快適でいいところなので、企画に関わらず再訪したいものだ。

4.どのような人に推奨するか

 今回の企画展示自体にはどうこうというのはありません。綺麗で新しい美術館に行きたい人は是非どうぞ。

Ex.ギャラリー

ビル入口 綺麗。

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ルノワール:座るシャルパンティエ

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エジプト新王国時代レリーフ。ちなみに、写真撮影は原則OK。

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藤田嗣治静物 やっぱり猫がいるんだよな

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