体験記:サラ・ベルナールの世界展(松濤美術館)
体験記シリーズ。サラ・ベルナールの世界展を見に行ってみた。
1.鑑賞のきっかけ
同日に太田記念美術館に行ったので、そこから歩いていけるなぁと思って。企画そのものはあまり気にしておらず(まぁサラベルナールは知ってたけど)、近いから行った。
2.内容
原宿から昼食と散歩も兼ねて歩いて向かった。Bunkamuraの裏道を抜けていく感じだった。途中東急ハンズのあたりでポスターを見かけたのだが、そこで初めて入館料が500円であることを知った。値段的にも小さな展示会なのかしら?と思ったが…実際に行ってみるとなかなかどうして満足度の高い美術体験になった。
チケット窓口はおきれいな地元のおばあちゃんといった方が応対されていて、まず和む。窓口は1つしかないし、何ならチケットのもぎりすらなかった…。展示は2Fと3F。エレベーターで2Fに出た瞬間にご挨拶のパネルがあり、とってもシームレスに展示会が始まった。
2Fはサラにまつわる写真や装飾品が並ぶ。サラ・ベルナールは19世紀フランス、ベルエポックと呼ばれる時代に活躍し、大きな人気を博した舞台女優。サラは1844年生まれ。同年代のルイス・キャロルも写真にハマっていたというし、ちょうど写真が発達していく時代ですな。身に着けていたドレスの展示が実物だとすれば、あまり高身長ではなかったと思うが…声と演技に存在感があったのだろうな。後年の活動では自らの劇団を立ち上げ、脚本を書いたりして自身で演じるなどしていたようだから、女優である以前に表現者だったんだろうね。セルフ脚本セルフ主演というと、シルベスター・スタローンの『ロッキー』なんかを思い出しますな…。時のロシア皇帝に送られた銀皿なんかもあり、ワールドワイドな人気が伺える。
3Fは、サラ・ベルナールを語るときに必ず登場する(と思われる)、アルフォンス・ミュシャのポスターが並ぶ。以前Bunkamuraミュージアムでミュシャ展見たし、見たことあるやついっぱいあったよ。黄道十二宮も来てた。ちょっと面白かったのが『ジスモンダ』のポスター。当初フランスで上演された際のポスターは、作品名ありきで主演サラ・ベルナールを伝えていた(=題字はジスモンダだった)のだけれど、後年のアメリカツアーにあたっては、もはや作品名は消え失せて「サラ・ベルナールがアメリカツアーをやるぞ!」というだけのポスターになっている模様。サラが来ることそれ自体が事件であり目玉であったということを伺わせる変遷だと思わないか?
各展示物に対して柵(結界)が全くなく、至近距離で作品を閲覧できたのは最大のメリット。建物自体もキレイで趣がある。500円という値段に対して圧倒的にコスパのいい鑑賞が出来たと思います。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★★
展示そのものもさることながら、美術館そのものの評価が大変高いという配点デス。
4.どのような人に推奨するか
19世紀フランスが好きな人、ミュシャ好きな人は行っておこう。あと、単に美術館に行ってみようかなくらいの人も、安くて満足度高いので是非。
↓ミュシャ展の感想はこちら
Ex.ギャラリー
外観
唯一撮影可能だったパネル
施設内の噴水(オサレ)