体験記:ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道(国立新美術館)
体験記シリーズ。「ウィーン・モダン」展に行きました。
1.鑑賞のきっかけ
ちょっと別のとこにある美術館に行ってみたかった。これは乃木坂・六本木にある。同時期にクリムト展をやってたが、めちゃ混雑していたらしいね。
2.内容
1700年頃のハプスブルク家から1900年頃に流行した「世紀末芸術」を中心に据え、舞台をオーストリアはウィーンに設定した比較的幅広な企画展。タイトルにあるグスタフ・クリムトやエゴン・シーレが中心というわけではない。というか、そもそも展示品が絵画に限られておらず、当時の家具・調度品、衣服、建築などにも大いにスペースが割かれているのがポイント。
クリムトに関して言えば、「ウィーン分離派」と呼ばれる新しい芸術を目指す集団を結成するあたりがやはりクロースアップされるわけだが、一番センスを感じたのは分離派展のポスターデザインだったりする。フォントやデザイン、空間の構成、いずれも非常にモダンで洗練されているように感じる。『第1回ウィーン分離派展ポスター』とかいいよね。原則この展示は撮影不可だったのだが、唯一撮影可能だった『エミーリエ・フレーゲの肖像』…結婚こそしなかったものの長らくクリムトの公私ともに気の置けないパートナーであったという彼女の肖像画があった。実物は凄く大きいんですね。フレーゲ自身はこの絵を気に入ってなかったというエピソード込みで良かった。
エゴン・シーレは『自画像』の展示があったが、これは美術の教科書かなんかで見たことあったな。独特な塗りと、「そうはならんやろ」というジョジョの奇妙な冒険的な左手のポーズが、印象に残っていた。結構若くして亡くなってしまったんやな。
ちなみに、音声ガイドは城田優さん。(こんな説明では不本意かもしれんが、)初代『テニスの王子様 ミュージカル』で手塚国光役を務めた彼です。いい声。内容は可もなく不可もなくでした。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★ーー
先に書いたように、展示品は絵画にとどまらず幅広いという点が、自分にとっては余りいい方向に働かなかったような感じ。個人的にはハプスブルク家及び周辺知識がもっとあれば楽しめたような気もするので、勉強したいと思います。
4.どのような人に推奨するか
特定の作者・作品の企画展ではないので、「ウィーンの世紀末文化をモダニズムへの過程としてとらえる」というコンセプトに魅かれるものがあるならば行ってみよう。
Ex.ギャラリー
美術館の様子
エミーリエ・フレーゲの肖像