めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

ロバート・A・ハインライン / 夏への扉

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

ロバート・A・ハインライン / 夏への扉のレビュー。顔文字みたいだな。

1.作品を選んだ理由

 府中市美術館で中古で売られていた。タイトルを聞いたことあるのと、表紙(猫!)で購入。

2.内容

 1979年にハヤカワ文庫より発売。原作は1956年とのことだが、この作品の舞台は1970年と2000年…どちらも現代(2020年)からすればとっくに過ぎ去った時代だが、この『夏への扉』のような世界は訪れていないですな。しかし、1956年にここまで先進的な未来を想像して世界観を構築することがよくできたなぁと感心する。この世界の1970年は冷凍睡眠(コールドスリープ)が一般的にサービス提供されていたり、家事ロボットの自動処理が高度に発達していたりする。その描写が付け焼刃的でなく、なんというか現実にありそうな感じで細かく描写されている。あと、猫のピートはマジで主役です。一方で2000年の時代では、一般には非公開だが技術的には時間旅行(タイムトラベル)が現実のものとなっている。冷凍睡眠と時間旅行を組み合わせて、自分を救う物語だ。タイムパラドックスが起きそう…。

 エンディングは絵にかいたような怒涛のハッピーエンドで、アメリカンだなぁと。冷凍睡眠で完全に成功しているパターンだね、主人公は。冷凍睡眠を実行しているのは彼だけではないので、もっといろいろな問題点とか事件も起きていそうな気がするよね。   

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 雰囲気はロマンティック寄り。会社の権利を争ってるあたりがギスギスしててよかった。でも、この世界はもっと見てみたいと思ったな。

4.どのような人に推奨するか

 時間旅行・タイムパラドックス・猫好きに捧げる。