めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

W・シェイクスピア / 新訳 オセロー

新訳 オセロー (角川文庫)

新訳 オセロー (角川文庫)

シェイクスピア / ハムレットのレビュー その2。

1.作品を選んだ理由

 初オセロー。新潮版ではなく新訳の角川版を選んだのは、新訳ハムレットの丁寧さに心打たれたから。

2.内容

 2018年角川文庫から、河合祥一郎氏の訳本。ムーア人の将軍オセローが、副官イアーゴーの奸計によりその妻デズモデーナの愛情に対して疑念の塊になってしまい、無実の不義を追求した挙句最終的には自身の手で妻を殺してしまう。お話自体は分かりやすく、月曜夜11:00くらいにやってそーなドロドロの恋愛ドラマといった趣がある。それに合わせて登場人物たちの会話も卑近で、悲劇に至る動機も含め現代人にとっても理解できる内容だなと思えた(オセローは大仰な話し方をするクセがあるが…)。
 河合さん訳だけに、掛詞や言葉遊び・韻文といった英語の原文要素をうまいこと日本語に置き換えている。卑近さとわかりやすさはこの翻訳によるところが非常に大きいと思う。他の訳者だったらもっと格調高い感じになるのかもしれないね。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 わかりやすい!

4.どのような人に推奨するか

 四大悲劇の中では、短いし登場人物の心情もわかりやすいしで、最も読みやすいのではないかしら。