W・シェイクスピア / リア王
- 作者:ウィリアム シェイクスピア
- 発売日: 1967/11/28
- メディア: 文庫
シェイクスピア / リア王のレビュー。ハムレット同様、新潮の福田さん訳。
1.作品を選んだ理由
ハムレットを読んだので、続きで四大悲劇の本作を読むことに。一回ディズニーシーでなくして、買いなおした…。最近『ファイアーエムブレム風花雪月』やってるけど、金鹿学級における同名貴族のファミリーネームはこちらが元ネタなんですねー。
2.内容
1967年新潮文庫からの訳本。ストーリーは恒例の王リアが3人の娘に領地を分け与えるために、どれだけ自分を愛しているかを宣言させるというところから始まる。長女次女のゴネリルとリーガンは巧言令色で答えるが、末女のコーデリアは繕って答えることをしなかったため王は激怒して、領地を与えないようにしてしまう。…冒頭からわけが判らないというか、リア王耄碌しすぎで納得しがたい筋書きだと思うが、元ネタであるところの『原リア』はまだ説明のつく理由であったらしいので、これはシェイクスピアによる意図的な改変と言われている。その後嵐の中を彷徨することになり、フランスとの戦争の方で王は自国兵に捕らえられ最終的には死んでしまうという…ただ、この悲劇性については何とも言えない。長女次女は悪女として描かれているとは思うものの、リア王の愚かしさも大概なので。まぁ、その愚かしさゆえの悲劇ということなのかもね。グロスター伯はちょっとかわいそうだったかな。今作で初めて知ったのだが、ローマの時代より王には「道化」という奇抜な格好をした付き人がいて、結構な放言が許されていたという。本作でも王を慰めるような位置づけで重要な役割を果たしているようだが…全体的にセリフ回しや詩の表現が難しかったという印象。
好きなセリフは、「人は常に泣きながら生まれてくる。この阿呆だらけの世界に産み落とされたことがあまりに悲しいからだ。」みたいなやつです。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
解説込みで。
4.どのような人に推奨するか
個人的には『ハムレット』の方が入りやすいと思うが、一般的には四代悲劇では『マクベス』を最初に読むのがおススメらしいね(短いから)。これはハムレットよりは短く、マクベスよりは長い。お話の筋や道化の難解さがあるので、これを読むなら2冊目以降にしたほうがいいのではないかな。あと、FE風花雪月の元ネタとして読んでみるというのも趣があっていいですよ(ちょっとした関連性を見つけられるかも)。