めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

W・シェイクスピア / 新訳 ハムレット

シェイクスピア / ハムレットのレビュー その2。

1.作品を選んだ理由

 新潮の福田さん訳で読んだが、別訳も読んでみたかった。

2.内容

 2003年角川文庫から、河合祥一郎氏の訳本。野村萬斎氏が監督する上演用の台本として上梓された。以前読んだ福田さん訳に比べて、とにかく圧倒的に現代的で読みやすい。1回ストーリーを読んで知っているのからというのもあるが、非常にわかりやすかった。これは劇で読まれることを前提にした言葉選びをしている、という点と無関係ではなかろう。また、脚注による解説、Q版とF版の比較、韻律の表現など、いろいろな勉強になる内容が盛り込まれている。もちろん脚注なので飛ばして本編だけ読むこともできる。
 この訳者は以前紹介した『不思議の国のアリス』でも素晴らしい訳本を書いていたが、言葉遊びも含めてうまいこと日本語に訳してくれていて非常に信が置ける。他にもシェイクスピアの訳本を出しているようなので、今後も買っていきたい。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 福田さん訳は解説込みの5点。こっちは訳本として5点。

4.どのような人に推奨するか

 シェイクスピア初めて読むなら、普通にこっちの新訳をお勧めします。
 ※以前書いたアリスの紹介はこちら。