めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。

綾辻行人 / 緋色の囁き

緋色の囁き (講談社文庫)

緋色の囁き (講談社文庫)

綾辻行人 / 緋色の囁きのレビュー。

1.作品を選んだ理由

 『十角館』『水車館』ときて、別シリーズのこちらも読んでみる。

2.内容

 原作は1988年、作者の4作目であり『館』シリーズから離れた『囁き』シリーズの第一作。館シリーズがミステリー:ホラーの割合が8:2だとするならば、少なくとも本作ではその割合は2:8に逆転している。つまりホラー要素が強まっている。闇と未知に対する恐怖感と緊張感が、非常なる臨場感を持って書かれている。最初の事件を発見する下り。開かずの間であるはずの特別室から漏れ出る光、それに近づき扉を開けようとする際の綿密な描写でやられた。とにかく読んでてドキドキする。また、その臨場感と表現力はとても映像を喚起する力がある。解説にもあるけど、非常に映像的・映画的であり、閉鎖的な伝統女子高という舞台設定も相まって耽美的とも言えるのではなかろうか。ドラマティック。  

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 確かに館シリーズとはテイストが異なるが、このシリーズも面白そうだなぁ。

4.どのような人に推奨するか

 衝撃の結末ではなく、その恐ろしくも耽美な過程を楽しむ作品。