めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

綾辻行人 / 十角館の殺人 <新装改訂版>

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

綾辻行人 / 十角館の殺人のレビュー。

1.作品を選んだ理由

 普段ミステリーは読まないのですが。この記事で読んで、買ってみた。
prtimes.jp

2.内容

 原作は1987年だが、近年になって作者本人がやや手を加えて新装改訂された。講談社文庫より。500ページくらいあるけど、字と余白が大き目なので、結構短く感じた。もちろん短く感じたのは、作品自身が読ませる力に優れているからであるが。文体は新聞か教科書かというようなというほどに明快でわかりやすい。次々に起こる死は、恐怖よりも次なる謎を呼び起こし、どんどん読み進めたくなる。そして明かされる犯人とあの事実。本当に美しくてため息が漏れるようだった。その後の解答編も丁寧で、何が起きていたかが明快に明かされる。そしてプロローグと対をなすエピローグ。舞台設定や動機設定にケチを付けようと思えば思えなくもないが、このまとまり感と納得感の前には些事。とにかく面白かった。  

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 あまりに面白くてビビリ散らかしている。ミステリーってこんな感覚が楽しくて読むものなんだろうな。

4.どのような人に推奨するか

 ミステリー初心者でもすごく読みやすいと思います。大変おススメ。こんな感覚が味わえるなら、同作者の他シリーズも読んでいきたい所存。