めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Decapitated / Winds of Creation

Winds of Creation

Winds of Creation

ポーランドデスメタルバンドDecapitated / Winds of Creationをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 最近Vaderにハマっているんです。こちらもポーランドの同郷バンド。

2.内容

 2000年リリースの1stフルアルバム。Wicked World Recordsからリリース。圧倒的なクオリティと、中心人物であるVoggが本作発表時19歳、弟Vitekは16歳というバンドの若さに驚く。

 スラッシュメタル由来でエッジの効いたギターサウンドによる超高速刻みリフの応酬に、手数足数が多くハイスピードなデスメタルドラミングが一体になった、テクニカル要素を持ちつつもストレートにカッコイイと感じられるデスメタル。Vaderがスラッシュメタルの延長線上にいるのに対して、こちらはよりテクニカルデスメタルの様相を呈している。重低音が効きまくった重心の低い音ではなく、高音の効いたギターと生っぽいドラムにより、いい意味で軽快な感触さえある。2作目以降はヘヴィさを増していくので、この感覚はこの1stでしか味わえない気がする。ツービートとかっ飛ばしているパートのスピード感たるや素晴らしい。「テクニカル」の要素は、曲展開やリフ・ドラムパターンの多彩さに対して表現されているものであって、技術見せびらかし系デスメタルとは一線を画す。ボーカルもドスの効いた低音咆哮でバッチリ。時折挟まれるギターソロもパートにあったスローでメロディのあるものからテンションの高い速弾きまでこなしている。

 サウンドの硬質感はVaderに近いものもあり、実際本作のプロデュースはVaderのPeterだそうだ。とにかくスゴイやつらだよ。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 若いのにスゴイとか時代を考えればスゴイとかではなく、単品としてすごくレベル高い。

4.どのような人に推奨するか

 Vaderの音質とスラッシュメタル成分を維持しつつSuffocationをやっている感じ。その辺が好きならば是非。