めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Sarcófago / Rotting

Rotting

Rotting

ブラジルのブラック/スラッシュ/デスメタルバンド SarcófagoのRottingをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 1stの次にゲット。

2.内容

 1989年リリースのEP。手持ちのはGreyhaze Recordsからのデジパック仕様。どう見てもキリストなおじさんがいる。Wagnerによるとこのバンドは1st "I.N.R.I"リリース後に一度解散していて、1989年に再結成して作成されたのが本作らしい。ドラムはD.D.CrazyからM.Jokerなるものに変わっている。
 6分~8分台のやや長尺な曲が並び、基本的には高速トレモロのデスメタリックなリフと前作譲りのブラストビートをかましつつも、変則拍子やテンポチェンジを交えた複雑な楽曲が見られるようになっている。前作でも"Nightmare"や"Last Slaughter"といった曲にはそういった雰囲気は感じ取れたと思うが、今回は単純に突っ走るだけの曲はなくなり、構築性がより向上している。実際#6は"Nightmare"の再録で、テンポのメリハリがより明確になっていたり、裏で冷ややかなシンセサイザーを鳴らしていたりと、前作とは違った印象になっている。ドラムはあんまりうまくも早くもなく、なんだかドタドタとしたビートになっているが、それが混沌性の演出に一役買っている。このバンドに演奏のうまさとかを求めるものでもないし、それでよいのである。
 総論としてはデスメタルともスラッシュメタルともブラックメタルとも言えそうな、アンダーグラウンドで激烈な音楽。リフがいちいち鋭くてカッコイイぞ。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 EPとはいえ33分あり、曲もいいので、満足度は高い。

4.どのような人に推奨するか

 前作同様、スラッシュ・デスメタル等のエクストリームな音楽が好きな人は是非。今聞いても素晴らしいし、今こんな音楽やってる連中ってあまりいないのでは。