体験記:みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ-線の魔術(Bunkamuraミュージアム)
みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ ― 線の魔術 | Bunkamura
体験記シリーズ。渋谷Bunkamuraミュージアム「みんなのミュシャ」展に行きました。
1.鑑賞のきっかけ
同美術館で「バレル展」を見たときに宣材で見たので、行こうと思っていた。初日鑑賞!
2.内容
19世紀チェコ出身(知らなかった)、アールヌーボー(art nouveau)期にフランスで活躍した画家・イラストレーター・デザイナーであるアルフォンス・ミュシャの企画展。初日の開館時間に合わせて行ったんだが、ビルの外まで行列が出来ていて、人気の強さを実感。初日の朝から見に来るような美術ファンって多いんだね。普段どこにいるんだ?
展示は2部構成。前半はミュシャの半生・背景と作品を追う紀伝形式の展示。第2章~第3章あたりが作品としては一番多くされていて、多分一番有名な「黄道十二宮」もこのエリアでの展示。なお、第3章は写真撮影が自由だったので、たくさん撮影している人がいた。緻密な背景と意匠、植物に円環型の構図、明確な輪郭線と美女、というのがミュシャ絵の特徴だと思うんだが、この「輪郭線」が非常に漫画絵っぽい感じがあるんだよな。所謂絵画では、あまりないよね。仕事だからそうだろうなと思いつつ、宣伝・広告目的のイラストがあって面白い。「月と星」の光の表現は美しい!
後半はミュシャの影響を受けた20世紀のイラストレーターや漫画家に焦点を当てている。1970年前後のサイケデリックロックのジャケットやポスターにミュシャの影響が見て取れるというのは、言われればその通りだし新鮮。あと、Jimi Hendrix、Rolling Stones、Thin Lizzy、Yesなどの見知ったバンドが出てくるのが嬉しかった。一番テンションが上がったのはレミーが参加していたHawkwindが紹介されていたところ。ロック好きにもおススメ。
そしてタイトルを回収する形で1980年頃の漫画絵に到達する。こうやって一連の流れで見ていくと、少女漫画は極めて顕著に影響を受けているのが判る。間接的なものも含めたら、影響を受けていない少女漫画ってないんじゃないか?とりあえず背景に花が散らされている時点でミュシャなんじゃねという気がした。ファイナルファンタジーでおなじみの天野さんの作品もあった。
音声ガイドは普通。あって損はない。漫画家さんへのインタビューなんかも入っていた。入口は凄く混雑したが、あさイチだったこともあって一旦進めば結構快適な鑑賞が出来た。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★★
絵自体も良かったけど、近現代のイラストや漫画絵にまで言及している流れが凄くよかった。感動した。ワイ感動しがち。
4.どのような人に推奨するか
かわいい・綺麗な絵が多いので何も知らずそれ目当てに行ってもいいと思うが、ミュシャ好きは是非行ってみましょう。
Ex.ギャラリー
撮影可能エリアから少しだけ。
黄道十二宮。かわいいー。
多分お酒の宣伝ポスター。
連作シリーズも結構あったようだ