Andromeda / Manifest Tyranny
スウェーデンのプログレッシブメタル、Andromeda / Manifest Tyrannyをレビュー。
1.作品を選んだ理由
最近プログレメタルのマイブーム中につき購入。中古を全く見かけないので、ちゃーんと新品で購入したぞ。
2.内容
前作4thから3年で2011年にリリースされた5thフル。メンバーに変更はない模様。Inner Wound Recordingsってどこなんや…
音楽性は2nd以降のリフとボーカル中心のヘヴィなプログレメタルで大勢に変化はない…ものの、なぜかこの作品はめっちゃ好印象なのです。ポイントは2点。1点はメロディーの強化で、重層的なコーラスワークを持った歌メロは前作までに比べて大幅に強化されている。また、ギターやシンセサイザーのリードフレーズが印象的なメロディーを持ちつつもテクニカル・メカニカルなAndromeda節が効いているように思う。もう1点は、エレクトロサウンドの導入によるサウンドトラックのような雰囲気の変化が味付けされている点。全体を通じて、音に広がりが出ています。
ヘヴィでハイスピードな#1 "Preempive Strike"は序曲的な位置づけで、#2 "Lies 'r' Us"が実質の1曲目。基本的に前作まで譲りのミドルテンポでゆったりとした曲調なんだけど、歌メロとメリハリのある演奏を持つ地味な佳曲。#3 "Saty Unware"は短型波っぽいリードメロディとオルガンのリード、跳ねるようなリズムが印象的です。#4 "Survival of The Richest"は、歌い上げるボーカル中心の楽曲で、Davidくんの唄で感動したのは初めて。#5 "False Flag"もエレクトロというかファミコンチックな電子音から導かれて様々な展開と複雑な演奏を見せるthe プログレメタルな9分半の良曲。#7 "Asylum"、#9 "Go Back To Sleep"も似たような感触を持ちます。スローで雄大なパワーバラード風のサウンドに引っ掛かりのあるスリープビートやスピーチが被さる#6 "Chosen By God"、メリハリが効いていて、スピーディーで切れ味のあるメタリックなリフがカッコイイ#8 "Play Dead"ではブラストビートすら飛び出す。静謐なピアノパートとエキゾチックなフレーズが頭に残る#10 "Antidote"は、ラストの目の前が開けるようなソロの掛け合いとコーラスで幕を閉じる。
サウンドも適度なオーガニックさのあるクリアサウンドで、いいんじゃないでしょうか。ちょっと前作は安っぽかった気がするしね。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★★
2nd以降の方向性ではトップクラスに出来がいい。素晴らしい。
4.どのような人に推奨するか
2nd以降の方向性では、5th > 2nd > 3rd/4thといった所で、多分これまでで一番いい。初心者はまずはこれを買うといいよ。1stは別物カウントなので、1stとこの5thを買うとAndromedaというバンドは結構わかると言えるのではないかな。