めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Mattias Ia Eklundh / Freak Guitar - The Road Less Travelled

スウェーデンのテクニカル/ヘヴィメタルバンド Freak Kitchenのギタリスト、Mattias IA Eklundhのソロ作品をレビュー。

1.作品を選んだ理由

 Steve Vaiから知ったスーパーギタリストシリーズで、ギターインストものが好きなので買った。Freak Kitchenも良かったしね。

2.内容

 2004年リリースの2ndソロアルバム。Freak Kitchenがあくまでボーカルを中心とした歌モノハードロック・ヘヴィメタルであるのに対して、これはエンターテインメントに全振りした楽しい(主にマティアス自身が)ギターアルバム。ワケの分からないギターサウンドとアイデアが満載。音の感触はマティアスなのでヘヴィなディストーションギターなのだけど、楽曲は言語で表現するのが難しい。近い作品を挙げるとするならSteve Vaiの"Flex-able"だと思うんだけど、それよりももっとファニーでシニカルな雰囲気が渦巻いているところがあって、Frank Zappaの一部作品だったり、メタル寄りだとElectrocution 250(こんなの知ってる人がいるのか)あたりが想起された。
 アイデアでいうと…#3 Print This!は、プリンタの印刷音をリズムに見立てて楽曲を展開する、ルロイアンダーソンのTypeWriter的な曲。#8 Chopstick Boogieは不思議な丸っこいアタック音のギターが聞けるが、多分曲名の通りお箸で弾いてるんだろうな…。有名な楽曲としてはDeep Purpleの"Smoke on the Water"をカバーしてるが、歌メロをマティアス流のハーモニクス満載に弾き倒すトンデモアレンジ(曲のストラクチャーは結構普通だけど)。まあいろいろやっている。
 やりたいことやってみました的ギターインストアルバムであり、とっつきやすいとは言い難い。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 ガチファン向け。楽曲のそのものに何度も聞きたくなるような魅力があるとは思わない。

4.どのような人に推奨するか

 Freak Kitchenのテクニカルな要素だったりマティアスのギターそのものに魅力を感じた方におススメ。それ以外の人は特に入手しなくていいと思った。