めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Sabaton / The Great War

Great War

Great War

スウェーデンのパワーメタルバンド Sabaton / The Great Warをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 Sabatonの新作だぞー。購入。

2.内容

 2019年リリースの9thフル、Nuclear Blastからのリリース。Ward Rebordsからの日本盤を買っています。ただし通常版。限定版の「ヒストリーエディション」って何だろう?今回は全編が第一次世界大戦がテーマとしているわけだが、日本盤の解説には歌詞の対訳だけでなく、各曲の題材となった戦いや人物の解説がついており、世界観を理解するうえで助けになる。

 楽曲の方は、相変わらずJoakim Brodenの野太く歌い上げるボーカルと分厚いコーラスワークを中心に据えた、キャッチーで純粋なミドルテンポ中心のヘヴィメタルとなっている。サウンドの品質、楽曲の出来ともに前作に劣らない出来。アルバムリリースに先駆けてYoutubeで公開されていた"Bismarck"は、やや地味なリードトラックだなぁと思っていたのだが、アルバムには収録されていない(フィットしなかったので収録しなかったが、もったいなかったのでYoutubeでリリースした、ということらしい)。そのあと投稿された"The Red Baron"の方がノリノリで、昨今のSabaton感がある。アルバムの楽曲イメージは後者の方が近く、全体的に勢いがある。

 メロディの充実度だけでいえば前作以上ではないでしょうか。というか、前曲Sabatonらしさを非常に感じることができ、曲の構成も似たようなもんなのに、各曲をちゃんと際立たせることが出来ているのは、偏に作曲と編曲のうまさだと思うんだ。リズムとアクセントのつけ方でメロディを強烈に印象付けてくる。好みのトラック"82nd All the Way"のコーラス後半、"Devil Dogs"の出だし(3連系のダサ曲でこれも最高)、"The Future of Warfare"のコーラス等、リズムと一体となったビッグなコーラスが素晴らしいデス。"The Great War"は前作にもこんなメロディなかったっけ?と思わせるが、いい曲なので構わんです。ギターソロやフレーズも前作以上に充実していて、おいしいギターが多い。ちょっとパワーメタルっぽさが増えたという印象。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 安定の超高品質なSabaton印の金太郎飴。

4.どのような人に推奨するか

 男臭くキャッチー&ポップなメタル好きに。前作"The Last Stand"を気に入った人なら絶対買って満足。