アガサ・クリスティ / アクロイド殺し
- 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,羽田詩津子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 文庫
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1.作品を選んだ理由
昔買ったまま読んでなかった本を読んでみようのパターンです。原題はThe Murder of Roger Ackroydということで、そのまんま。
2.内容
1926年の作品で、名探偵ポアロシリーズの1つ。書かれた時代背景は作品世界を理解するうえで結構大切だと思うのだ。
ミステリなので内容の詳細を書くのは憚られるが、 イギリスのある村で富豪アクロイド氏が何者かに殺害される。物語の進行役を務めるシェパード医師と、最近村に引っ越して来た変人(名探偵エルキュール・ポアロ)が、迷宮入りかと思われる事件を解き明かしていくのだが…ポアロの会話にちょこちょこ混ざるフランス語、『灰色の脳細胞』というフレーズ、慇懃無礼な鋭い推理の語り口など、ポアロのキャラ付けがキャッチーでかわいい。ただし、実際犯人だったら相当イヤだろうな。
序盤~中盤はややだらけて読んでしまったが、謎が解決に向かい始める後半パートからは、テンションが高いポアロの語りと、導かれる結論にドキドキしながら読めた。オチも納得。トリック部分の仕掛け部分に戻って読み返したくなるのは間違いない。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
解決パートがいいね。解説によれば本書のトリックは探偵小説としては当時結構な賛否両論あったらしい。私はミステリを読む際に謎解きをする気があまりないので、問題なかった。
4.どのような人に推奨するか
ミステリ好きはもう読んでるんじゃないかと思うが。ポアロシリーズの他の作品を読んだことがないので比較はできないが、そのアイデア・構成力とポアロのキャラは、他の作品も読んでみようと思わせる魅力があった。どれがおススメなんだろ?『オリエント急行の殺人』とか『そして誰もいなくなった』あたりがいいんだろうか。