Mayhem / Deathcrush
- アーティスト:Mayhem
- 発売日: 1999/04/20
- メディア: CD
ノルウェーのブラックメタルバンド Mayhem / Deathcrush をレビュー。
1.作品を選んだ理由
映画『Load of Chaos』をきっかけに聞きなおしている。
2.内容
1987年のEP。いろんな版があるようだけど、自分が持っているのがどこのレーベルのかは忘れた。メンバーとかの情報も調べりゃわかる話だから自分が語らなくてもいいだろう。Metallumとか見てください。
先に1st(De Mysteriis Dom Sathanas)を聞いてからこっちに遡って聞いた。当然1stはブラックメタル聞き始めの頃に聞いたもので、ブラストビート・トレモロリフ・呪詛的なボーカルと、あれこそがブラックメタルの標準形だと思った。(実際にいろいろとブラックメタル聞いていくと、その特異なボーカルワークもあってMayhemの1stっぽい音ってそんなにない気がするんだけどね)
で、遡っての本作は大分別物に聞こえる。実際、De Mysteriis...の楽曲は1990年頃には出来ていたはずだし、曲のストラクチャは結構近いものもあると思うんだけど。異様に目立つ歪んだベース、ドカドカとパワフルなドラム、ざらついたエッジのあるギターといった諸要素は、初期SodomとかBlashphemy、Sacrofagoとかのスラッシュメタル/ハードコア由来のストレートな勢いを感じさせます。冷涼な感じはなく、熱量がある攻撃性の高い音楽です。その辺が1stと違うな―と感じさせる部分だと思います。一方で、#1とか#6のイントロとかにEuronymousのエレクトロな至高がちょっと出ている感じもあります。音質もこの手のジャンルにしては十分良いです。
資料的な価値を抜きにしても、サウンドもリフもブラックスラッシュとしてハイレベルで良いものを持っていると思うんですよね。カッコイイです。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
1つ1つのリフが結構いいんだよ。これが。
4.どのような人に推奨するか
前のめりで治安の悪いスラッシュメタル好き、あるいはブラックスラッシュ好きに推奨します。Aura Noir好きとかにも合うんじゃないかな。資料的な価値を抜きに「ノルウェイジャンスタイルのブラックメタルを聞きたい」という目的で本作を聞くと、期待した内容は得られないと思います。