めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

体験記:大観・春草・玉堂・龍子 ―日本画のパイオニア―(山種美術館)

体験記シリーズ。「大観・春草・玉堂・龍子 ―日本画のパイオニア―」に行きました。

1.鑑賞のきっかけ

 先日円山応挙店に行ったことで、日本画への興味が湧いていた。展覧会予定で本展示を見つけ、会期ギリギリ(10/22)で行ってみた。あと、山種美術館に行ったことが無かったので、新しい美術館に行ってみたかった。

2.内容

 山種美術館って、山崎種二さんが作ったから山崎だったんですね…。それはさておき、やってきました山種美術館。当日は台風20号温帯低気圧になった)の接近によりかなりの雨模様だったが、バスを駆使してどうにか到着。昼ごはん食べてなかったのでカフェでご飯を食べようかと思ったけど、ご飯ものがにゅうめんしかなかった。

 タイトルの通り、19世紀~20世紀の日本画壇で活躍した横山大観菱田春草川合玉堂川端龍子の4名を中心に置いた企画展。多分だけど、もともとこの美術館が所蔵している作品も多かったと思う。大観・春草の"朦朧体"と呼ばれる筆致の作品群や、スケールの大きな屏風絵、西洋美術が日本に入り込んだ後の日本画の追求、といった要素を楽しんできた。
 玉堂のキャプションにあったんだが、日本画の不自由さに不満を覚えつつ、制限された世界の中で西洋美術の表現手法含め取り入れた作品を作っている感が良かった。『山雨一過』なんて色遣いや景色が印象派の風景画みたいだなと思いつつ、それでもやっぱり日本画として成り立っているなと。日本画ってどーも白黒・水墨みたいなイメージがあるんだが、今回の展示で見た絵はカラフル…と言っても、多色というわけではなくて、特定の一色に強い印象を残すものが多かった気がする。大観なら"緑青"や太陽の赤だったり、海の青だったり、紅葉だったり…その対比に美しさを感じた。
 しかし、太平洋戦争の時期も含むわけだが、この時期にのんびり絵を描いてられたんだろうか…?明治前半生まれのような人たちだから徴兵はされなかったかもしれないが、疎開とかしながら描いていたのかしら。

 美術館自体は地下1Fワンフロアで小さめ。1時間程度で回れるコンパクトな展示で、人も少なかったので快適に鑑賞できた。場所も渋谷・恵比寿からやや離れていてアクセスもいいとは言い難いのだが、それは仕方ないね。日本画の展示はもっと見てみたいですなー。勉強したい。ちなみに、音声ガイドは今回つけなかったのだが、特に不自由は感じなかったかな。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★ー
 ちょうど疲れない程度のボリューム感で、楽しく回れた!

4.どのような人に推奨するか

 会期が10/27で終わってしまうが、日本画に興味ある人は行ってみて。

Ex.ギャラリー

外観

唯一撮影可能だった作品