めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

糸井重里 / オトナ語の謎。

オトナ語の謎。 (新潮文庫)

オトナ語の謎。 (新潮文庫)

糸井重里 / オトナ語の謎 のレビューです。
正確には、ほぼ日刊イトイ新聞 編、糸井重里 慣習。

1.作品を選んだ理由

 タイトル買い。妻に聞いたらなんかこれ昔流行ったらしいね。

2.内容

 2003年に新潮文庫からのリリース。糸井重里氏と言えば、数々のキャッチコピーで知られるコピーライターさんといった印象。パッと思いつくのは、おいしい生活とか、Mother 2のあれ(大人も子供も、おねーさんも)くらいだが。
   一言でいえば、「悪魔の辞典」の会社員版といったところ。悪魔の辞典ってご存じでしょうか?一般的な単語をブラックユーモア的な視点で再定義して辞書形式で紹介していくやつです。この書籍もまさしくそういった形式で「別途」「物理的に」「五月雨式」「落とし込む」「泣きを入れる」と言った会社勤めにおいてよく聞くような単語を、お仕事的な観点で再説明したもの。(会社勤めという表現は、社会人という言葉が嫌いで使いたくないからです)
 自社でツーカーで通じている言葉って、他社では通用しないんだろうなと思っていた。仕事のプロセスとかの話でなく、流布している表現とかの話ね。しかし、この本を読むと「あぁ自分も言っているな」「自分の現場でもよく聞くな」と思わせるオフィス用語がとにかく多くて、非常に共感を覚える。そしてこれらの用語に対して若干の皮肉を込めつつ納得感のある説明をしてみせる手腕は見事。イトイ新聞の力なのか、糸井重里氏の力なのか知らんが、非常に面白く読めました。

 ページ数は多めだけど、1ページあたりの文字数が少ない為、1時間程度でさらっと読めます。息抜き。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 面白い!

4.どのような人に推奨するか

 数年以上会社勤めやった人が読むと、「あるある本」として非常に楽しめる内容だよ。何なら、会社勤めを始めたばかりの新入社員なんかが読んだら、有用なんじゃなかろうか。社内で出回っているワケの分からない表現の意味が、分かるかもしれない。