岡嶋裕史 / アップル、グーグル、マイクロソフト
岡嶋裕史 / アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争の行方 のレビューです。
1.作品を選んだ理由
ちょっと前に読んだ同作者のブロックチェーン入門本が大変わかりやすかったので、作者を信用した。テーマ的にも面白そうだったし。
2.内容
2010年に光文社新書から刊行。iPadやAndroid OSがぼちぼち出始めた頃の本であるという背景は、2020年の今に読む上で抑えておく必要がありますね。表題の各社が展開するクラウドサービスとクラウドに対するスタンス・戦略と未来予想をしています。マイクロソフトは元来オンプレミスの覇者であり、その延長としてのクラウドサービス。グーグルは根本的に「すべての情報を整理する」という方針があって、これを実現するための手段としてのクラウド。アップルは元来この領域に居場所はなかったものの、iPodとiTunesに始まるアカウントとサブスクリプションの管理からiPhone/iPadといったデバイスの拡大させ、クラウドをクラウドと意識させないままサービスとして利用させるクラウド。なるほど三社三様という気がしてくる。2020年の今でもこの感覚は間違ってないんじゃないかな。ちなみに、AWSはここではサーバサービスっぽい感じなので除かれています。Kindleとかはあるけどね。
一番面白かったのは、Googleのデータセンターは雨ざらしのコンテナというところ。物量と分散配置で冗長性を担保し、ハードウェアそのものは重用しないという考え方。Googleさんの規模だからできるという話でもあるが、なるほどなと思った。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★--
面白い。2010年の本なのでというエクスキューズは必要。2020年版を読んでみたいです。
4.どのような人に推奨するか
情報システムに携わっている人や、クラウドサービスに興味がある普通の人。(10年前の本だし、ガチ勢は読まなくていいでしょう)