デカルト / 方法序説
- 作者: デカルト,Ren´e Descartes,谷川多佳子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1997/07/16
- メディア: 文庫
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1.作品を選んだ理由
学生時代に買ってそのまま読んでなかった…実家から取ってきて読んでみた。
2.内容
1637年、デカルト41歳の処女作品。本来は科学論文の序文として書かれたものであり、それゆえ序説とある。デカルト自身が「序説が長すぎて読み通せない人のため」にこれを6章に分けて解説している(優しい)が、ここではその6章の解説はせず、読んでいて個人的に面白かったポイントを述べる。
- デカルトは静かに暮らしたい。この時41歳だが、余生は研究・思索に時間を費やしたいし、それ以外の事には煩わされたくなかった。本を書いて無用な批判や意見も欲しくなかった。
- デカルトは「我思う故に我あり」の言葉で知られがちで、実際この序文にもそのフレーズは登場する。彼の思想のベースを成す言葉ではあるが、そこに至るまでのプロセスや、この思想を研究にどのように適用するかが書かれており、そこが面白い。デカルトは自然科学・数学の研究者でもあり、以前紹介した数学物語でも登場する。中学生で習う座標(二次平面)はデカルト座標とも呼ばれる。
- 当時は宗教改革の時代。第6章ではガリレイがカトリックの異端審問で彼の説を否認された事件に触れ、そのコメントに慎重に言葉を選んでいる様子が見て取れる。デカルト自身も刊行を取りやめた本がある。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★--
デカルト自身の研究に対する考えや思想が素直に書かれていて面白い。内容自体をちゃんと理解できたとは思っていないが、訳注・時代背景も込みでなるほどと思える内容。
4.どのような人に推奨するか
学校で習ったあの人の著作を読んでみよう、的なスタンスで読んでみるくらいでいいと思います。本編100ページもないので、短い時間で読める。