恩田陸 / 夜のピクニック
1.作品を選んだ理由
第2回本屋大賞受賞の文句によるきっかけ。
2.あらすじ(内容)
2005年の作品。ある進学高校の年間伝統行事「歩行祭」。一昼夜かけて約80キロの道のりを、生徒たちがひたすらに歩き続ける。高校三年生の彼らは親友たちと歩きながら、夜の雰囲気や疲労にもあてられて、それぞれの思い出や秘密を語らっていく。主人公といえる融と貴子は同じ学年同じクラスの異母兄妹で、その背景から同じクラスになってからも「半径3メートル以内に近寄らない」ような距離感を保ってきた。周囲にも秘密を貫いていたが、歩行祭をきっかけとしてこの関係性に変化が訪れる。
やっていることは本当にそれだけ、ひたすら歩いているだけ。しかしながら、日本の学校に所属していたものとしては、共感を覚えちょっと感傷的になる部分もある。登場人物が基本的にみんないいやつ(特に戸田君)。文体もあるかもしれないけど、みんないいやつすぎるというか、みんなあまりに美しいというか…これが青春小説というものなのかもしれない。
ページ数は450ページ弱とそこそこのボリュームだが、軽い文体と会話文で、存外さらっと読み通せる。
3.感想/評価
★★★-ー
個人的にはどんどん夜が深まってくる1日目の夜(特に仮眠所以降)からが好きです。基本的に登場人物が陽で、陰キャはいませんね。そういう話じゃないとはいえ。
4.どのような人に推奨するか
キラキラした青春小説が好きな人、学生~20台前半くらいまでで日本の学制下にいた人。陰の者が読むと、眩しすぎて文句つけたくなるかも(ワイのこと)。