めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

安部公房 / 壁

 

壁 (新潮文庫)

壁 (新潮文庫)

 

安部公房 壁のレビューです。読書もやっていく。

 

1.作品を選んだ理由

   あんまり本を読まないため先ずは知名度と権威に頼り、知ってる名前と第26回芥川賞受賞で選択。あとQuizKnockのTASUKEでSカルマ氏の犯罪って言ってた気がする。

 

2.あらすじ(内容)

    中編2本と短編4本のオムニバス。芥川賞受賞はその1であるSカルマ氏の犯罪で、名前を無くした男の話。影を輪郭を喰われ透明人間になった男の話。短編は10ページ前後の短いもので、人間が液体化して洪水に至る、ある素材によるソーセージの製造企画などが語られる。

 

3.感想/評価 ★★★--

   戦後作品だからか明治大正の古典と比較して文章は大変に読みやすく文意はつかみやすい。前衛絵画的な不思議な世界が描かれる作品。内容がわかったかと言われるとよくわからない(4本の短編は話自体がわかりやすいが)、とっつきにくい内容だとは思うが、ページ数も多くなく時間で楽しめた。知ってる作家で言うと星新一を複雑というか理不尽にしたような印象。

     気に入ったパート:裁判時にカルマ氏の名前を辞書で引いたら「罪業」とあったため有罪であると断言されるシーン、天動説の四角い世界では遠方だった世界の果てが地動説(球体)の世界に縮められるともはやどこでも果てであると話されるシーン(いずれもSカルマ氏の犯罪)     

 

4.どのような人に推奨するか

    不思議な世界に浸りたい人かな(適当)。読書経験が不十分だからかうまく表現できない。これからですね。