Derdian / New Era Part1
イタリアのパワーメタル、Derdian / New Era Part1をレビュー。
1.作品を選んだ理由
シンフォニックパワーメタルでいいのないかなぁと思い、Vision Divineの直近のヴォーカルさんであるIvan Gianinniさんが籍を置くこのDerdianにたどり着いたわけです。名前は前から知ってたけどね。来日もしたことあるよね。
2.内容
2005年にSteelheart Recordsからリリースされたイタリアのシンフォニックキラキラクサメロパワーメタルの1stアルバム。この手のバンドは日本で人気があるからなのか、Soundhollicから日本盤が出ている。
しかし。これは確かにスゴイ。ここまでのブッちぎったクサメロをよく臆面もなく連発できるな、と思わざるを得ない。シンフォ/ネオクラ系によくある半音階を効果的に使ったマイナー調泣きメロディ、あるいはRhapsodyもかくやと言うようなヒロイックで勇壮なメロをとにかく詰め込んだ、ポジティブさとスピード感に溢れたメロディックメタル。シンセサイザーもかなり聴いていて大仰さを助長している。
このバンドの凄いところは、ボーカルだけとかコーラスだけクサメロというわけではなく、イントロ、バッキングや合いの手的なオブリガード、ギターソロ等、とにかく全編全楽器に渡ってそのようなクサメロが盛り込まれているという点であるな。初期Children of Bodomの"Hatebreeder"あたりはクラシカルでキラキラな間奏が結構あったと思うんだけど…あれを1曲丸ごとでやっているような感じで、ちょっと聞き疲れするレベルでメロディック。演奏やアレンジにそんなに複雑な部分はなく、あくまでも感触はストレートなパワーメタルです。
ボーカルが細いとか音質があんまりよくないというレビューも見かけた。確かにそう思わなくもないが、別に気になるほどではない。まぁメロパワだしこれくらいが聞きやすいんじゃないの?という気もする。あまりにヘヴィ・ファットなサウンドだとしんどかったかもね。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★★
4.どのような人に推奨するか
Rhapsodyのキラキラなメロディとアレンジはそのままに、シアトリカルさを減退させて、パワーメタル方面に全力で舵を切ったような音楽性です。クサメロ愛好家には大変おススメできる一品だと思います。