三島由紀夫 / 手長姫・英霊の声 1938-1966
- 作者:三島 由紀夫
- 発売日: 2020/10/28
- メディア: 文庫
三島由紀夫 / 手長姫・英霊の声 1938-1966 のレビューです。
1.作品を選んだ理由
『英霊の聲』が河出文庫からしか出ていないんだなぁと思っていたら、まさかの2020年の新潮文庫新刊で、本作が出ていた。まぁ三島由紀夫の新刊ということで、河出文庫の方と同時に購入。やはり没後50年だからそれに合わせたリリースがあったということかなぁ。
2.内容
2020年に新潮文庫からリリースされた、1938年(当時13歳)の『酸模』から晩年と言っていい1966年の『英霊の聲』まで幅広い年代の作品を収録されている。三島は新潮文庫から大量の作品が出ているが、全て初の新潮文庫化ということらしく、既存作品との被りはない模様。
河出文庫では『英霊の聲』、本作は『英霊の声』と、声の旧字体が改められている。前者の方がカッコイイですね。河出文庫の方は二二六事件三部作という明確にコンセプチュアルで統一感のある作品だったけど、こちらは複数年代の作品から編まれたコンピレーションなので、それだけでも読後の印象派が違うものですね。
1つ1つの作品についてはまぁそんなにどれが凄い好きというのはないんだけれども。初の小説、13歳にしては語彙力ありすぎませんかね…?という感想。文庫のつくりとして、各作品についてのちょっとした説明と時代背景が差し込まれているのは好印象。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★--
まぁ未収録作品を集めた文庫ということで、出たことに価値があると思います。リリースありがたい。
4.どのような人に推奨するか
個人的には『英霊の声』は河出文庫の方で読んでほしいです。三島は作品数が多いですが、読む順番としてはこれは後回しでもいいような。