めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Cultes Des Ghoules / Henbane

Henbane

Henbane

ポーランドのブラック/デスメタルバンド Cultes Des Ghoules / Henbaneをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 さっき1stを聞いたので、次いでに2ndも聞いている。ちな、現時点で持っているのはこの2ndまで。

2.内容

 2008年の1stから何枚かのスプリットとEPを挟んで、2011年にリリースされた2ndフルアルバム。これもHells Headbangers Recordsから出ている。今出てこないけど、多分手持ちはそれだと思う。  5年経ってますが、基本的な音楽性は1stから変わっていない。相変わらず毛羽立った歪みのギターがリフで先導する中で、高速/低速が入れ替わり立ち代わりの楽曲展開を見せる。1stと比較すると、リフのオカルト感が増したのと、ドラムの体感速度が速くなったなぁと思う。1つ1つのリフがより印象的になり(ただし決してメロディアスではない)、前作では見られなかった高速ブラストも聞かれ、ボーカルパフォーマンスもドスの利いた低音から演説風のスピーキング、シアトリカルな悲鳴、怪しい笑い声と様々。
 #1 "Idylls of the Chosen Damned"や#2 "The Passion of a Sorceress"はリフの魅力が詰め込まれた勢いに溢れた佳曲。#3 はスローでドゥーミーで、ディストーションギターの音も殆ど聞かれないスピーキングパートもあるタイトル通り"Vintage Black Magic"な黒魔術ソング。7:00過ぎあたりからの妖しさ満点のサウンドスケープはある意味スゴイ。前作よりプロダクションはいい意味で荒々しくなったと思うが、リフが何を弾いているかは十分に聞き取れるレベル。オカルティズムな雰囲気の向上と、静動のメリハリによる楽曲の印象付けという点で、全体的に質の向上が見られる快作だと思います。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 雰囲気あるなあ。怖いっす。

4.どのような人に推奨するか

 前作よりカルト度や呪い度が上がっているけど、バンドの個性というか神髄はこっちなんだろうなと思う。単純にプリミティブブラックとして聞くならば、もしかすると前作の方が好きな人もいるような気がするのだが、オカルトな雰囲気を存分に楽しみたい方や前作の「妖しさ」に魅かれた方には、本作はより訴求する作品になっていると思う。