めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

清涼院流水 / コズミック・ゼロ 日本絶滅計画

清涼院流水 / コズミック・ゼロ 日本絶滅計画 のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 漫画『バーナード嬢曰く』で、トンデモSFとして言及されていたのはデビュー作『コズミック』の方だったか。その紹介のされ方で興味を持ったよね。

2.内容

 2009年の作品で、2012年に文春文庫からリリースされた。作者の後書きと、森博嗣の解説が付記されている。大本であるデビュー作の『コズミック』は1996年に出たのかな?結構な時を経て、類似テーマに再度挑戦したというところか。
 タイトルの通り、人間がどんどん消えていきます。主な登場人物として、計画実行部隊のタクト他、一般人視点としての夫婦、某国外国人スパイのお二人が設定されていて、それぞれの謎の行方不明だったり、大規模な洪水による街単位の破壊だったりと、人間が消えていく過程が描写される。500ページ近くの長編である。
 なんだろうね。わかりやすすぎる漫画的なキャラ付(常にピアノ弾いてる子やら、全く眠らない天才少年やら…)の問題なのか、情景描写の問題なのかわからんけど、淡々としていて恐怖感や迫真さをあまり感じることができなかった。幕間で「日本の人口 残りN人」が示されるが、どうも読んでいて( ´_ゝ`)フーンとなってしまいますね。森さんの解説ではリアリティの欠如という指摘に対して反駁・養護しているが、あまり同意はしなかったかな。フィクションに対してリアルであれとは言わないけど、説得力に欠け、それ故の緊張感も伴っていないという感想になってしまったんですよね。最終盤のたたみ方はまぁ良かったかな。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 印象には残ったけど、良いかというとそれほどでも。

4.どのような人に推奨するか

 名古屋とか東京が全滅して楽しい!みたいな人におススメします。