めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

フィリップ・K・ディック / 流れよわが涙、と警官は言った

フィリップ・K・ディック / 流れよわが涙、と警官は言った のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 こちらもタイトルがいいよねぇ。あと、ハヤカワ文庫のこのシリーズのジャケットは本当にかっこよくてイイですね。『電気羊』『高い城』に続いて読みました。この作品を選んだ理由は…タイトルですね。

2.内容

 原作は1974年。割と最近な気がするね。1989年にハヤカワ文庫からリリース。友枝康子さんの翻訳。黒ジャケでカッコイイ装丁だ。
主人公はあまり気持ちのいい人物ではない。誰もが知るテレビタレントさんが、一夜にしてあらゆる個人情報を失うという話。これは個人として損失するということではなく、世界から失われるという意味。すなわち誰も自分のことを覚えていないし、自分の唄った歌も番組もTVでは流れないし。公的機関に登録されたあらゆる個人情報・身分証明も抹消されているような、そんな世界から始まる奮闘劇。海千山千の者どもがひしめく芸能界を生きてきただけあって、主に人を誑し込んで世の中を渡っていく…まぁ前後不覚に近い中ですごく行動力があって凄いとは思うんだが、基本的にはワルイヤツだよなぁーと。
 解説を読むと実は主人公はアンドロイドだとあり、確かに本編中でもそれは示唆されるんだけど、あんまり重要視して読んでなかった…。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 ふーむ普通かなぁ

4.どのような人に推奨するか

 物語の掴みと転がし方はわかりやすくSFでサスペンスで大変オッケー。結構読みやすいんじゃないかな。