めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

綾辻行人 / Another

綾辻行人 / Another のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 館シリーズ・囁きシリーズはマジで面白かったわけだが、ちょっと毛色が違う感じのこちらも読んでみた。名作ということだが…?

2.内容

 原作は2009年とのこと。角川文庫の上下巻のやつです。呪いにより年度中に生徒及びその関係者が死にまくる年があるという、とんでもない中学校が舞台のホラー/ミステリー。舞台設定的にも結構対象年齢を落としている気がする。転校生である主人公とワケアリなオーラを纏った細面の美少女が、呪い除けのための孤独の中で謎(呪い)に挑んでいくこのノリ、ジュブナイル感があります。どーもその「二人の孤独」が楽しそうに見えてしまって、肝心の呪いや人死に、謎解きにはそこまでノメりこむことができなかった印象でしたな。序盤こそ明らかに怪しげではあるのだが…話が進むにつれて美少女と仲良くなれてよかったのでは?感が出てくる。なお、ミステリ部分の仕掛けは、全然気づきませんでした…。  

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 読み味は軽快だが、個人的には恐怖とカタルシス、そして美しさが不十分だと思ってしまいました。

4.どのような人に推奨するか

 個人的にはハマらなかった。若者の学園ホラー/ミステリーがお好みならどうぞ。