島本理生 / ファーストラヴ
- 作者:理生, 島本
- 発売日: 2020/02/05
- メディア: 文庫
島本理生 / ファーストラヴ のレビューです。
1.作品を選んだ理由
映画化するということで大きめに宣伝されていたので。有名作ということで手に取ってみた。
2.内容
2018年に第159回直樹三十五賞を受賞した作品。これ2020年初に文庫リリースされたばっかりだったんだね。父親の死、かみ合わない母親との会話、性的虐待の連鎖…そんな環境に取り巻かれた少女の心理を巡るストーリー。「愛されている」と感じることができない少女が愛情を求めて意識的あるいは無意識に相手の意に沿う(そして自分の意に反する)行動をとってしまう点。先日読んだ『ケーキの切れない非行少年たち』に通じるものを感じた。ミステリ調で淡々としつつも求心力がある文章で、一気読みできてしまう強さがあった。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
最初タイトルで恋愛モノかと思ってたけど全然違った。いや、愛の物語ではあるか。
4.どのような人に推奨するか
難しいな。エンターテインメント性は高いと思うんだけど、事件の解決も含め読んでいてスッキリ壮快な話ではない。心理面の描写が興味深い作品です。