三浦しをん / 舟を編む
1.作品を選んだ理由
巷で評価されている本を読んでみようの巻。デビュー作の『格闘するものに○』は読んだ。
2.内容
女性誌(Classy)に連載されていたものが単行本となり、2012年の本屋大賞を受賞した。本作は光文社文庫からの文庫リリース。「辞書を編纂する物語」というテーマに魅かれた部分は大きい。辞書作りパートや言葉の定義を説明するパート、教授から出てきた西行の説明を直しちゃうパートなんかはとても良かった。尖った才能を持つ変人でありながら、それを仕事で認められ、偶然をきっかけにして美人の妻まで得てしまう主人公のマジメくんは正直鼻もちならん。この恋愛パートの甘ったるさよ…。仕事面では、本気になれないことに悩む西岡や、他部署からの異動でスキルとやる気のギャップを感じる岸辺の方がよほど共感できる。各章で視点が入れ替わり、そういう子たちをちゃんと書いてくれるのは好印象だし、みんな報われる瞬間が合って良かったねと思う。みんなマジメくんに感化されて幸せENDみたいなのはどうかなーとも思うが、まぁそういう幸せなお話でもいいんじゃないでしょうか。キャラが立ったメンバーによる、緩めの山あり谷あり奮闘記。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
辞書作りパートは面白いし、文章表現も良い。後はキャラクターが合うか次第かな。自分はサブキャラが好き。
4.どのような人に推奨するか
言葉・日本語が好きな人全般、仕事・恋愛テーマの作品でもOKな人。