めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

海堂尊 / チームバチスタの栄光

海堂尊 / チームバチスタの栄光 のレビュー。

1.作品を選んだ理由

 なんか名前は聞いたことあるよなぁと思って。

2.内容

 2006年に『このミステリーがすごい』大賞に選ばれた医療ミステリーの代表作。新装版として2015年に宝島社文庫から発刊された。心臓外科手術(バチスタ)で起きる術中死とその原因追及が主題のミステリー。主人公はどちらかというと閑職にいるタイプのパッシブな人間だが、これに相対する存在でありバディとしての役割を担う形で中盤から登場する厚生労働省の変なやつ・白鳥くんがとにかく存在感があり、エンターテインメント性を上げている。こんなやつおらんやろ…と思ったり、人をナチュラルに馬鹿にしまくっててイラっとしたり、抑圧的な空間で快刀乱麻を断つような一言を言ってくれたりと、物語中盤以降を大いに盛り上げてくれる。主人公じゃないからこそ輝くポジションかもしれん。
 トリックや動機はそんなに特筆するものではない。病院内の人間ドラマが中心の作品。そういう意味では実写ドラマ映えしそうではある。してたよね?多分。あと、おそらく順序が逆だと思うんだが、漫画『医龍』をどうしても思い出すよね。  

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★-
 白鳥くん面白いわ。

4.どのような人に推奨するか

 病院内のドロドロした人間ドラマを中心としたミステリー。ミステリー成分よりドラマのエンターテインメント性の方が強いと思うので、そのような作品を好む人にかな。