ホルヘ・ルイス・ボルヘス、アドルフォ・ビオイ=カサーレス / ボルヘス怪奇譚集
ボルヘス・カサーレスの選によるボルヘス怪奇譚集 のレビュー。
1.作品を選んだ理由
本屋で偶々平積みになっていたのを見かけて購入。詩人ボルヘスは知っていたけど読んだことなかった。カサーレスは知らない。
2.内容
2018年、河出文庫。1976年に晶文社から出ていたものを文庫化してくれたものらしい。古今東西の様々な文書から抜き出した小品集。ボルヘスとカサーレスが書いたわけではないが、その作品選定と文章の抜き出し方には選者の妙があるはず。何らかの含みを持たせ、心に引っかかりを残すようなテーマが多く、星新一のショートショート読んでいるような気分にもなる。1つ1つに解釈を要求するため、厚さのわりに読むのは時間がかかる。読んだ通りのものもあれば、最後まで読んでもなんだかわからないものもある(これは宗教的な背景や神話への理解が足りないからかもしれない)。荘子の『胡蝶の夢』はみんな好きなんだなぁ。解説を読まないとわかる由もないが、実は元ネタがないボルヘスorカサーレスの創作らしき作品も混じっているという研究もあるらしい。そうだとしたらその仕組みも込みで面白い話だね。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
まとめて読むとすごくエネルギー使う。92編あるのでちょっとずつ読むといいよ。
4.どのような人に推奨するか
怪奇/奇想、世界の宗教/伝説/逸話、含蓄のある話、荒唐無稽な話。そういったものが楽しめます。