めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

ホルヘ・ルイス・ボルヘス、アドルフォ・ビオイ=カサーレス / ボルヘス怪奇譚集

ボルヘス怪奇譚集 (河出文庫)

ボルヘス怪奇譚集 (河出文庫)

  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 文庫

ボルヘス・カサーレスの選によるボルヘス怪奇譚集 のレビュー。

1.作品を選んだ理由

 本屋で偶々平積みになっていたのを見かけて購入。詩人ボルヘスは知っていたけど読んだことなかった。カサーレスは知らない。

2.内容

 2018年、河出文庫。1976年に晶文社から出ていたものを文庫化してくれたものらしい。古今東西の様々な文書から抜き出した小品集。ボルヘスとカサーレスが書いたわけではないが、その作品選定と文章の抜き出し方には選者の妙があるはず。何らかの含みを持たせ、心に引っかかりを残すようなテーマが多く、星新一ショートショート読んでいるような気分にもなる。1つ1つに解釈を要求するため、厚さのわりに読むのは時間がかかる。読んだ通りのものもあれば、最後まで読んでもなんだかわからないものもある(これは宗教的な背景や神話への理解が足りないからかもしれない)。荘子の『胡蝶の夢』はみんな好きなんだなぁ。解説を読まないとわかる由もないが、実は元ネタがないボルヘスorカサーレスの創作らしき作品も混じっているという研究もあるらしい。そうだとしたらその仕組みも込みで面白い話だね。   

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★-
 まとめて読むとすごくエネルギー使う。92編あるのでちょっとずつ読むといいよ。

4.どのような人に推奨するか

 怪奇/奇想、世界の宗教/伝説/逸話、含蓄のある話、荒唐無稽な話。そういったものが楽しめます。