めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

呉座勇一 / 応仁の乱

呉座勇一 / 応仁の乱 のレビュー。

1.作品を選んだ理由

 そーいや何年か前に売れたよなぁ…という程度の認識。あと、日本史をやってない自分からすると、応仁の乱はまったくブラックボックスであるため内容を知りたかった。何なら応仁の乱(1467年であることだけは覚えている)から戦国大名が割拠する16世紀後半まで何がどうなっているのかさっぱり分かってないので。

2.内容

 2016年、中公新書から発刊。新書なんだよな…帯には「40万部突破」とあるが、なんでそんなに売れたんだろうか?非常に不思議だ。応仁の乱としても物語は、この時期に詳細な日記を残している2人の僧、経覚・尋尊の視点を中心に読み解かれていく。山名・細川・畠山を始めとした勢力争いと、当代のトップである征夷大将軍足利義政とその跡継ぎ問題(その跡継ぎ問題は権力闘争のために担がれただけのようにも見えるが)、そしてその当主義政のなんとも言えない日和見主義、京都市街に広がる戦火、強力な武力と影響力を持つ寺と僧兵(今のイメージと合わないんだけど、幕府とも密接に関わり多くの人数を抱える宗教団体ですので)と、勝者もなく尻すぼみに終わる戦…と、この乱の概要は少しわかったような気になれる。文章自体は平易で読みやすいが地名・登場人物とその関係性がとにかく非常に多く、なかなか理解できない。フリガナと勢力図/関係図をもう少しつけてくれた方が嬉しかった。全く以て一言では語れない乱なのだな。
  

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 応仁の乱で250ページ。読み通すにはなかなかパワーが要る。いや好きだけど。

4.どのような人に推奨するか

 日本史好き、応仁の乱に興味ある人向け。