めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。

Deeds of Flesh / Trading Pieces

Trading Pieces

Trading Pieces

  • アーティスト:Deeds Of Flesh
  • 出版社/メーカー: Unique Leader
  • 発売日: 2001/08/28
  • メディア: CD

アメリカのデスメタルバンドDeeds of Flesh / Trading Piecesをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 最近7th買ったので、聞きなおしているんです。

2.内容

 1996年にRepulse Recordsからリリースされた1stフルアルバム。手持ちはUnique Leaderだったかもしれない。
 長い活動と何枚かのアルバムを経て"Deeds of Flesh節"と言える音楽性は既に共通認識されているような気がするが、この1stアルバムの時点で完全に出来上がっていると思う。しかるに、その構成要素とは、次のようなものである。
 「複雑な曲構成」…あまりに矢継ぎ早に展開されるので気づきにくい(というか拍子を感じるヒマもない)が、複雑な変拍子・複合拍子の嵐。基本的にリフとドラムがシンクロしており、パッと聞いた印象では複雑さを気にせず聞ける。
 「撤退した刻みリフ」…とにかくこのバンドはギターソロがない。良く歪み湿ったSuffocationっぽいギターサウンドで複雑で気持ち悪いリフを弾き倒す。
 「ノンストップなドラミング」…先述の複雑なリフに合わせてブラスト・ツーバスを組み合わせた手数の嵐。ブラストは多めだしもちろん高速ではあるものの、スピード感・爽快感よりもやはりデスメタル的なほの暗い圧迫感・閉塞感を感じさせる。
 「ツインボーカル」…超低音のガテラルと、獣性の高い喚き系ヴォイスのコンビネーション。

 ほんとに30分間ひたすらこれが繰り返される。ねちょねちょした食人的なSEがたまにある以外は徹頭徹尾これ。あまりにも焦点が絞れていて、それが個性になっている。冷静に考えるとスゴイ話だ。後期の作品より硬質なクリアさに欠けるサウンドであるが、バランスと音圧は問題なし。むしろこの音質がアンダーグラウンド感とグロテスクさを強調しているという説もある。楽曲単位の区別がつく自信は全くないが、アルバム単位で聞いて気持ちいい(楽曲は気持ち悪いデスメタルなんだが…聞いていて気持ちいいという…)という一枚。  

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 USブルータルデスメタルの基本ではなかろうか。

4.どのような人に推奨するか

 アンダーグラウンドでグロテスクな雰囲気のあるブルータルデスメタル好きに。ちなみに私は所謂グロ万歳な「ゴアグラインド」は全然好きじゃないんだけど、このバンドは好きなのだ。露悪趣味ではなく、内に秘めた暗黒性のようなイメージだからかな。