めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

アガサ・クリスティ / オリエント急行の殺人

アガサ・クリスティ / オリエント急行の殺人のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 ド定番。突如読みたくなって蔦屋書店で購入。

2.内容

 1933年、名探偵ポアロシリーズの1つとして発表されたもの。以前読んだ『アクロイド殺し』から7年位後の作品。2010年リリースの早川文庫、山本やよい訳のものを購入。

 この作品の特徴は、雪に突っ込んで止まってしまったオリエント急行の寝台車という極めて狭い舞台で繰り広げられるという点。セリフのやり取りを中心に進む物語と、一人一人にスポットライトが当たって行く流れ。その作品進行はまさしく舞台さながら。
 事件発生後のエルキュール・ポアロの調査(今回、鉄道会社の重役に頼まれて事件の調査・推理をしている)では、乗り合わせた一人一人が尋問されるという形でわかりやすくスポットライトが当たって行き、各人のアリバイ・手がかり・関係性が提示される。まぁ自分は犯人を当てるつもりで読んでないから「ほーん」と思いながら読んでいるわけだが。そして芋づる式に証言と事実が繋がっていく解決編と終劇部分は眠さを押して一気に読んでしまうワクワク感があった。

 アクロイド殺しと比較すると、舞台性とスピード感でこちらが優れており読みやすい。なんというか、事件が起こるのが早いw 有栖川有栖の解説にもある通り、「ミステリファンならもちろん、スレていない初心者に読んでほしい」1冊だと思う。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 一気に読ませる力があった。ミステリの解決編っていいよね。

4.どのような人に推奨するか

 上記解説の通り、舞台設定や構成・セリフの多さミステリ初心者でも読みやすい作品です。