体験記:青木野枝 霧と鉄と山と(府中市美術館)
体験記シリーズ。青木野枝さんの個展「霧と鉄と山と」に行ってきた。
1.鑑賞のきっかけ
地元である府中市美術館には企画展の内容を問わず行こうと決めているのです。今回もなんの予備知識もなしに一人突撃。
2.内容
彫刻家…といってもみんなが想起するような所謂石膏の人体彫刻みたいなものではない。鉄でできた一定のモチーフを何個も何個も溶断して作成し、これを何百何千とと繋げて鉄に包まれた空間を作り上げる大型作品が中心。とにかく偏執的なまでに、弧だったり円だったり直線だったりのモチーフを鉄で作りまくっている。アトリエでは一日9時間くらいひたすら溶断をしている時もあるらしい。そうしたモチーフをこれまた偏執的につなぎ合わせて作りあげられた作品は、広い企画展示室にポツンと(というにはデカい。1作品で展示室1室を占めている)配置されている。山型やドーム型の作品には包まれるような感覚がある。入り口があれば中に入ってみたかったけど、そうはいかんかった…。
これらの大きな作品は展示会ごとに現地制作されるらしい(まあ、どう見ても持ちこめるサイズではないからな…)。そして会期が終われば解体される。二度と同じ作品はない。何なら鉄は溶解して再利用されるらしい。不思議な形をした作品群以上に、そうした姿勢やエピソードが面白かった。スケッチブックのコメントとか見てると、芸術家の脳みそが少し覗けたような気がして、しかし異質だなぁという感覚を得る。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
感じるか、感じないかの世界だと思った。
4.どのような人に推奨するか
基本的に特に解説とかはなく、大型作品11点おいてあるという展示なので、見ようによっては数分で回れてしまう。抽象的な作品が好きな人向け。
Ex.ギャラリー
ポスター
建物に入った時から展示は始まっている
石鹸で出来ている山…っぽいもの